カーオーディオにCDを挿入し車は国道に向けて滑り出す。 昭和?? 二年前の夏もそうだ。
そのままCDを叩き割り、消費者センターに電話してやろうかと思ったくらいである。 しかし、CDを買ったら中身は事務所の社長のおっさんが歌っている。
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事の発端は昨日の事である。
私にはパンクというものが正直よく分からない。
ご機嫌のイントロが流れ出す。 そのため、ロック好きから「どこがパンクなんだ!」と馬鹿にされることもあり、私もロック好きと何度も口喧嘩になったものである。
それがエイベックスのやり方か!!! 私は怒りに打ち震えていた。
そんなことを言いながら私はこれからも20万円する美顔器を騙されて買った主婦のように「これはその位の価値がある物なんだ」と自己暗示をかけながら自分を騙し続けて行くのだろう。
これこそがパンクなのではないのだろうか。
これから老後に向けて2,000万円貯めなければいけないらしいので、3,240円するCDが299円で買えるのならこんなに嬉しいことはないではないか。
某Bは、メジャーデビューするにあたって「楽器を持たないパンクバンド」というキャッチコピーで売り出した。
平日であるが全然都合がついてしまう田舎の貧乏税理士である私は、早起きをして車で40分かけ隣町にあるタワーレコードが入っている商業施設に開店前から並んだのである。
アイドルのCDを買って中身がおじさんが歌ってるなんてことがあっていいのだろうか。
私は某Bを観るために汗ダルマになりながら、わざわざお台場に夏フェスに出掛けたというのに、そこでは同じ曲を6回連続で歌うという奇行が繰り広げられた。
人気アイドルグループである某B(仮名)が来月発売予定であるアルバムを先行して明日299円で緊急発売するという知らせを聞いたのだ。 無事CDを購入。 二十代の性にアグレッシブだった頃に、大宮で「若い娘いますよ」って言われて客引きについて行ったら、暗い店内にババアしかいなくてぼったくられたとき以来の屈辱と言っていいであろう。
7。
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