「被爆の柿二世」を通し、「時の蘇生」を目指しました。 震災直後は目の前に苦しんでいる人がいて、パンは役立つけれど、アートなんて何も役に立たないと思い知らされました。 弧を描くように壁にランダムに配されたLEDは、パステルカラーの光を放ちます。
3壁に大きく映し出された参加者の顔に、死ぬまでの秒数がカウントダウンされます。
11》2020年 そして、《地の天》。
2016年両校を退職。
Part6(2000年、) 脚注 [ ]• アートが国境や言葉を超え、全ての人をつなぎ合わせる力を持っているといわれるゆえんです。
世界銀行東京開発ラーニングセンターから要請を受け、学生たちがウガンダのエイズ孤児が置かれている現実を学んだ上で、その子どもたちのためのワークショップを考案し実施した。 時の蘇生・柿の木プロジェクト [ ] また、によって被爆したの木から採取した種を苗木に育て、展覧会場などあらゆる場所で配り、また世界中の子供たちと植えていく「『時の蘇生』柿の木プロジェクト」を展開している。
4「仏の智恵」を意味する「金剛智」をモチーフにした作品です。
宮島達男 (みやじま・たつお) 1957年東京都生まれ。
同年、文化省芸術家留学基金留学生としてに転居し、翌(平成3年)まで居住。
《30万年の時計》ができた時、これで作家人生を賭けられると思いました。
宮島達男さんの作品が手軽に見られる美術館が、東京都現代美術館の大きな空間に設置された作品《それは変化し続ける それはあらゆるものと関係を結ぶ それは永遠に続く》です。
17だから今の状況も、新しい潮流が起こる一つの機会かもしれませんよね。
そのカウントのタイム設定を、被害を受けた地域を中心とした3000人に行ってもらいひとつの作品にしていきます。
18》は、カウンターのユニット(ガジェット)がゆるやかに繋がった作品。
宮島 「柿の木プロジェクト」を例にとれば、植樹式のときに参加者に「アート表現をしてください」とお願いしています。
それが、惨事の記憶が風化していく一つの原因でもあると考えています。 「柿の木プロジェクト」は、実はアメリカでも実施されています。 それを見ているうちに、逆に僕自身が影響を受け始めて、自分の中のアート観が変わってきました。
2カタログ上の言葉や批評の中にも出てきますし、年表の中にも、芸工大のことはもちろん徳山先生とのこと、新しい学科をつくったことや改革したことなども入っています。
それは偽善につながっているのではないか。
被爆という惨事を、共感する前に知識として取り込んでしまう。
国際的な展覧会に出品した時、アボリジニの人も、アフリカの人たちにも分かってもらえる。
そうした 癒す力も生命維持のためには必要だということです。 ここから代表作の《Mega Death》をはじめ、宮島達男のLED作品について解説していきます。
11生命の永遠性を表徴する数字のLED。 それが、このインタビューに取り組んだきっかけです。
展覧会名の「如来」とは、如如(にょにょ)として来ると読み、まさに今この時を示した言葉。
この作品は昼と夜で背景と数字の光が反転し、昼間は背景が消灯し数字のライトが灯り、夜には背景のネオン灯がまばゆく点灯し、数字が消灯します。
もう一つは 「新しいものを生み出していく力」です。
戦争や貧困、差別などの様々な社会問題に対する芸術の可能性と具体的アイデアは、新国立美術館でのシンポジウムで一般公開・共有し、「芸術に何ができるのか」を芸術教育の実践を通して検証した機会となった。
例えば、腕を怪我したら絆創膏を貼ればいい。 個展「宮島達男:如来」では、宮島達男を代表するLEDの作品群と、新作のインスタレーションやパフォーマンス作品の映像や写真などが展示され、宮島達男がこれまで向き合ってきた「それは変化し続ける」「それはあらゆるものと関係を結ぶ」「それは永遠に続く」の3つのコンセプトを体現したといいます。
これまでは、一つの「正解」にクリエイティビティを足していました。
現代の人間にとってLEDをはじめとしたデジタル機器、また数字などの「データ」は非常に身近な存在であり、ありとあらゆる情緒や倫理観がその情報に埋もれてしまいがちです。
そのことに感謝し、全てのユニークな存在を尊敬できるかが大切です。
本展ビジュアルデザインは、本学グラフィックデザイン学科教授の(こんどう・かずや)氏の手によるもの。 アートであるがゆえに、国も言語も、概念やイデオロギーも超えていくことができるんです。
6だからアートを止めてはならない」というメッセージを出しています。 ヨーロッパの人たちが個性豊かといわれるのは、学校の授業で、自分がどう思うかを挙手して発信するからだと思います。
鑑賞者は数字が漂う空間を、自由に歩き回ることができます。
そこへ、身近であり単純なテクノロジーを用いて私たちに「人の死とは何か」を問いかける宮島達男の作品がどのように働きかけているかを見ると、宮島達男は日本に限らず、世界的に「必要とされている」作家であるのかもしれません。
以来、国内外で数多くの展覧会を開催。
《ブロンズで型取りされた被爆柿の木2世》は、1998年に国連本部で展示された作品です。 同じくドイツの文化大臣のモニカ・グリュッタース氏は、「クリエイティブな人々のクリエイティブな勇気は、危機を克服するのに役立つ。 宮島達男の作品の媒体として代表的なLEDのデジタルカウンターですが、多くの作品の中で、表示される数字に「0(ゼロ)」がないということはご存知でしょうか。
その手腕に感動し本展のデザインも宮島先生自ら近藤先生を指名した。
注意すべきことは、デジタルカウンターの刻む数字は「1」から「9」までであって、決して「0」(ゼロ)を表示しないことと、その明滅する速度が一定ではなく、個々のLEDによって異なることである。
背後には、まだ梱包から解かれていない宮島先生のアート作品が見える。
そこで今回の展覧会も、この25年の時代の変化とともに、宮島達男の変遷や生き様を記述していく展覧会に変えました。
でも目に見えない傷は、音楽、映画、美術などに触れることで、少しずつゆっくりと癒す。
今私たちは、大事なことに気付かされ、思い知らされたわけです。
それがサステイナビリティーなのではないでしょうか。
97年ジュネーブ大学コンペティション優勝。