第二に患者の変薬への抵抗が挙げられる。 せん妄は、夕方~夜間にかけて出現する頻度が高く、睡眠薬や向精神薬の使用により、日中の覚醒に影響が出る場合もある• 発症の起こり方と持続日数• [文献]• その意味でも予防が大切で、手術前から患者さん、家族、医療スタッフ間で十分のコミュニケーションをとり、協力しあっていくことが大切です。
特に高齢者で生じやすい• 年齢(高齢者)・性格・認知機能障害・脳器質性疾患・アルコール・基礎疾患• せん妄発症時はせん妄について説明を行う• 早期発見、早期介入で予防できる可能性はあります。
この時期、外科医からは安全な周術期のために禁煙と禁酒を実行する必要性が説かれるが、多くの患者はこの難題を見事にクリアする。
意識障害のために周囲を認識する意識清明度が低下しており、注意を集中・維持・転換する能力の低下を伴う• 中止するかどうかは主治医とよく相談する必要があります。
様々な要因が関連しあって発症すると言われていますが、特に 高齢者に多く見られます。
身体的要因• 〈目次〉• 術後せん妄は手術がきっかけで発症する精神障害のこと 術後せん妄は、患者さんの背景や術後の物理的環境、手術侵襲による身体の状態などが複雑に関連しあって発症する 一過性の精神障害のことです。
19障害が一般的身体疾患の直接的な生理学的結果により引き起こされたもの せん妄の要因は、術前・中・後のそれぞれにあります。 ・などにより、 甲状腺の機能が異常に低下・上昇するとせん妄が起こることがある• 注意力の障害や意識の混濁、知覚の障害も併せ持ち、何らかの原因(手術)が存在し、急激におこり、1日の中でもその程度が変化することから診断します。
意識状態• さらに、術後の疼痛や不眠を抑制するために 様々な薬剤を投与されます。
看護師の看護技術・知識が磨かれることで、よりレベルの高いケアを患者様に提供することが可能になります。
見当識障害(時間や場所があやふやになる)• 入院歴の状況• せん妄のリスクについて患者や家族に説明し、出現しても一過性で経過とともに消失することを伝える せん妄発症時のケアのポイント せん妄は治療可能であるため早期の対応が重要である• 単独で意識障害を引き起こす直接因子• まとめ 今回は、「術後せん妄」の原因や症状、発症している期間はどのくらいなのかについて解説しました。
家族への対応• 高齢者の場合、稀ではあるが術後せん妄から認知症ヘと移行することもある• 看護師全員に共通する全科共通をはじめ、呼吸器科や循環器科など各診療科目ごとに幅広いQAを扱っています。 不眠や不穏が強い場合にはベンゾジアゼピンの併用を行う場合もあります。 認知能力の変化(記銘力低下、見当識障害、言語能力の障害など)、あるいは知覚能力の障害が出現するが、これらはすでに存在していた痴呆によってはよく説明できない• 異常なほどの覚醒状態にあっても、次の瞬間には酩酊状態になる• ルートやドレーンの留置・臥床安静・睡眠障害・身体的ストレス(疼痛など)・感覚遮断 特徴・症状• 患者の置かれている状況を受け止め、訴えには否定せず、傾聴につとめる• また、患者本人の現在の状況だけでなく、家族から得られる術前の知的水準やADLに関する情報も、術後せん妄の危険因子の予測に重要です。
実際には、はじめに抗精神病薬を頓用で使用し効果判定を行います。
せん妄のリスクが高い場合は、術前から昼夜が逆転しないようにはたらきかける (睡眠と覚醒のリズムを整えたり、家族の面会やかかわる時間を多くとるなど)• また手術による外的侵襲やアルコール、覚せい剤、大麻、麻薬への依存、連用、中断もせん妄の原因となります。
また、 術後せん妄の 前駆症状を早期発見し、転倒転落やルートの自己抜去を予防するための環境整備も重要になります。
血管障害、肝・腎臓機能障害• 身体拘束を検討する際は医師・看護師間で抑制実施の有無を十分にアセスメントし、家族にも説明し、同意を得る 本人と家族への説明• 特に重大な合併症を併発しなければ、通常は1週間以内に消退する• 手の震えなどの神経症状(アルコールせん妄に多い)• 覚醒(意識)レベルの変動• 術後せん妄の基礎知識について理解を深める 疾患の概要• 脳の機能に影響を及ぼす薬の服用(抗うつ薬や 抗不安薬など)• Postoperative delirium in the elderly. 薬剤(抗コリン薬・抗不安薬・睡眠薬・H2受容体拮抗薬・ステロイドなど)• 術後疼痛 薬物療法を中心とした疼痛コントロールなど• 一過性で短時間で消失する• 事前の予防によって未然に防ぐことが重要ですが、 それでも生じてしまうこともあります。
疾患せん妄• に伴う幻覚に対しても同様に、一部の薬剤の適応外使用が認められています。 せん妄とは、意識・精神機能障害の一種で、注意力や思考力の低下、見当識障害、幻覚や興奮状態などを症状とするものです。
13夜間せん妄• Contents• は持続性があるが、せん妄は一過性である• 幻視や幻覚(そこにないものが見える)、妄想(そこにいない人が訪ねてきたと言い張るなど)、偏執症• アルコール依存• 重度のせん妄では、自分や他者が誰かわからなくなることもある• 主な原因• 急激な環境の変化(ICUへの移動)や過剰刺激(アラームやモニター音など)• せん妄に特徴的な症状• アラーム音や人の行き来などによる睡眠妨害• 多要因性• 年齢(60歳以上)• 幻視、興奮など様々な症状が認められ、それらが移り変わる• 」 と不思議に感じることがあります。 そのため、事前に医師や看護師を中心として、 心理的ストレスの軽減や環境の調整、さらには投薬状況の見直しなどが必要となるのです。
既往歴• 術後せん妄は予防と早期発見がポイント 術後せん妄は、高齢者や不安などの要因によって引き起こされるため、 術前から予防する関わりが大切になります。
がんの末期での症状• 手術によるストレスや使用される薬剤などが原因で起こる• 状況に応じて適切な薬剤の選択をし、不眠の改善に努める• そこに手術侵襲、術中薬物、術後合併症、全身状態悪化等の直接原因が加わり術後せん妄を発症します。
この中でわれわれ医師が直接介入可能な項目に多剤併用薬物療法に対する薬剤の見直しがあるが、中でもBZの減量と中止は、せん妄予防対策の中では最も効果的な介入項目のひとつと考えられている。
薬剤性せん妄• BZの減量や中止で得られる利益を患者が納得できるように説明できていないまま行った減量や中止は、離脱症状が生じなかったとしても「(勝手に変薬されて)眠りが浅くなったので戻してほしい」と患者に言われる結果に終わる事が多い。
16前駆症状として不眠や不安を訴えるものが多い• 治療 の治療となると、精神科的な治療や対応のみに目がいきがちです。
単独では意識障害を引き起こさないがせん妄を惹起する要因となる促進因子• 覚醒と睡眠リズムを整え、日中、家族との面会時間を多くとるなどの配慮をする• 環境の変化(施設など新しい環境へ移った場合など)•。
興味深いことに、同時期から「術後せん妄で患者が大暴れすることがかなり減った」と外科医や看護師が周術期の変化を口にするようになった。
American Psychiatric Association 編. せん妄に対する薬物治療としては、2011年9月に厚生労働省から器質性疾患に伴うせん妄・精神運動興奮状態・易怒性に対して一部の薬剤の適応外使用を認めるとの通知が出されました。
術後せん妄の発症要因と予防 術後せん妄は手術が直接的な原因ではありますが、その出現には様々な要因が関与しています(図1)。 長期に渡る飲酒歴• 術後せん妄は基本的には治療可能であり適切に診断する必要があります。
ハテナースの想い 看護師にとって、看護技術は覚えることも多くなあなあにしてしまいがちで、周りに聞きたくても聞きづらい状況にいる看護師も多くいます。 長時間の手術(4時間以上)• ハテナースの特徴 ハテナースは、看護技術に特化したQAサイトです。
人格や気分の変化(内向的になる、もしくはイライラして興奮状態になる)• 症状が似ていることがあるので高齢者では認知症と間違えられやすいですが、せん妄は一時的なもので治る点が異なります。
3 山城守也:高齢者術後精神障害とその対策.消化 器 1991;14:65-71. 以上が原因となることが多く、ICU精神病とも呼ばれる• しかし、せん妄に対する薬物治療はあくまで対症療法であるため、むやみに投薬を行わず、ごく軽度のせん妄の場合は睡眠・覚醒リズムの調整(夜間の消灯、日中の声かけなど)により改善を図ることが推奨されます。
長時間の麻酔(麻酔方法・麻酔時間・使用薬剤など)• 中等度以上の手術に多い• せん妄の原因となる薬剤には、 が挙げられます。
また、高用量のBZの急な中止では、離脱せん妄が生じることもある。 簡単な計算ができなくなる• 認知の変化(記憶欠損、失見当識、言語の障害など)• 記憶障害(最近のことが思い出せない)• 「術後せん妄」が生じる期間は? 術後せん妄は、手術の後に おおよそ 1日〜3日程度経過した時に生じることが多いです。
11病歴、診察、あるいは検査データを根拠に直接の原因を特定する• すなわち、• (リンク1参照) せん妄の定義(DSM-IV)1• 部屋の調整や頻回の訪問・声かけを行うことで、できる限り抑制帯をしないですむよう援助する• 一度発症すると、生命維持に重要な管を抜いてしまう、夜間大声を上げて暴れるなど、看護スタッフによるケアーが困難になり、周囲の患者さんにも迷惑がかかります。
治療には抗精神薬(興奮を一時的に抑える薬)が中心になりますが、身体のストレスを取り除くことも重要です。
そこで今回は、 「術後せん妄」の原因や症状、発症している期間はどのくらいなのかについて解説します。
第一に中断時の離脱症状が挙げられる。