新型コロナウイルスの感染拡大で世界が大きく変わるなか、7年前の小説がいまも売れ続けるのはなぜか。
16タイトルの『蛇行する月』が表すのは、まさに"右へ左へ揺れ動く女性"そのものではないでしょうか。 今までずっと目の前に広げていた。
長く暗いトンネルを抜けて光を感じさせてくれるラストに、きっと一筋の救いを見ることができるはずです。
「家族というくくりでいろんな年代、いろんな立場の人を、背中を切り開いて背骨も内臓も全部見せる気持ちで書きました。
自分のために何かをするといっても、何も持っていなかった。
書道家としての野心を隠し切れず燻っていた秋津が、天賦の才を持つ純香に抱いた複雑な感情とは。 新聞に投稿された一句が開くパンドラの箱の中身には何があるのか。
私からみると釧路は、帰る度にすごくきれいに年をとっているまちだと感じています。
風呂は週に一度だけ。
実家が火事になり両親が死んだことで男の心に生まれた感情とはーー。
紙版・デジタル版• ご自身の年齢と、親御さんが老いていくところで、距離感・関係性が時の流れとともに緩やかに形を変えてきたと? 桜木さん: 「30代のころは若かったな」と思います。 それをなんとかこの数年で映画にしたい。
10また、もうひとつの印象深いエピソードとして、 教師を演じる岡山天音と女子高校生役の伊藤沙莉のふたりのやりとりが挙げられます。
それらをまとめ上げて希望に昇華したのが、主人公の雅代(波瑠)と宮川(松山ケンイチ)のラブシーンでした。
ひとつは、北海道の道東を舞台とし、普通の田舎町とは一味違う渇いた閉塞感を見事に描いていること。
映画を観ることのほうが多いので、普段はそんなに小説も読まないんですよ。
誰もが秘密を抱えてやってくるラブホテル。
そういうところは、ひさしぶりに観ると影響を受けてるのかなって気がします。
認知症の母、横暴な父、両親の老いに戸惑う姉妹の、別れの手前にあるかすかな希望を見つめる。
景色と人というのは欠かせないものだと思います。
日の当たらない男と女の哀しくも愛おしい人生を、さまざまな角度から照らし出す桜木紫乃さんの今後の作品に、乞うご期待です!• 【北海道報道部・三本木香】 試写見て感じた「心地よい悔しさ」 「ホテルローヤル」は、釧路湿原を望む小さなラブホテルの名前。 「歌」が自分の人生を変えてくれると信じて。
10貴史:• 親にとっても、私はまだ危なっかしい娘だったのかもしれない。
やや子が主人公となる最終話の、最終段落。
なぜか親はいつまでも年をとらないものだと思っていた節があった。
第6位 氷平線 (あらすじ) オール讀物新人賞受賞の実力派が、満を持して刊行する第一作品集。
4人の女の人生をタペストリーのように織り込んで仕立てた、桜木紫乃の代表作で〈第19回島清恋愛文学賞受賞〉作品です。 もう一つ縦糸を通すために、何を拠り所にしたらいいのかなっていうところで原作を読み解いていくと、どうやら作家の桜木さんが一つの部屋を軸にしているとわかってきたので、その部屋を中心に何か映画を作れないかと考えました。
父がもともと理髪店をやっていて、最後はラブホテルを経営したというのも同じです。
そして、次に書いた「えっち屋」(単行本では三作目)のときに、担当編集者と話しているうちに、最後はホテルの開業で終わるような連作にしたら面白いねということになって、それからゆっくりゆっくり一本ずつ書き継いでいきました。
美幸は彼が中学生時代の同級生であることに気付き、間もなくふたりはお付き合いを始めます。貴史は選手時代の交遊関係もほとんど断っていて、部屋で唯一の趣味であるカメラをいじくり回してばかりです。4月のある日に、美幸は彼からヌード写真のモデルを頼まれます。
今思い返しても、不思議な気持ちでした。 その理由が 「 書くことで自分の人生と折り合いをつけたかった」 と桜木さんが語っています。
まるで著者に「あなたならどうする?」と問いかけられているよう。 また"書道"がミステリの鍵を握るという、他に類を見ない桜木紫乃ならではのサスペンス小説です。
「こういうこと、現実にあるよなあ」としみじみ思えたり。
ひとつの歌に引き寄せられた夏紀と沢井。
ご自身「大きな転機になった」というこの作品について、お話を伺いました。