尾崎孝之さん 尾崎さんは赤福本店のかまどはもちろん、この町にあるかまどのほとんどを築いてきた左官職人であります。 このかまどは全国的に見ても左官仕上げのシンボルでも私達にとっても一番の左官伝承の場所であります。
25以上の硬さの石を使い砂とつぶすように磨きあげていきます。
我々職人もそれを造ることによって誇りを共有してきたと言えます。
この伊勢型漆喰には海藻を入れず、真砂土と麻スサを入れて作った砂漆喰を使います。
先日丹波篠山で南左官さんの現場にて、この伊勢磨きにてかまどを仕上げる会があり、私と西川さん、植田さん、久住さん湯河原の長田さん東京の小沼さんと全国から集まった若い左官衆たちによって西川さんを講師としてワークショップを開き、見事に仕上げることができました。
今まで中首の波消しコテを使って2次曲面・3次曲面を磨き上げていましたが、元首の波消しを大きく長くし曲面に合わせて腰加減を変え今までより作業性を向上させています。 かまどの姿は家の誇りでもありました。
17先日、植田さんとドイツへ行きモロッコの磨きでタデラクト(久住さんはフランス語でタドラック)と呼んでいる左官磨きを習得していて、2回に分けて約1ヶ月間修行に行って参りました。 私も数年前よりかまどの塗り替え作業に携わり、変わらぬ伝統に想いを寄せている一人であります。
しかし最近のキッチンはどうでしょうか。
日本の伝統的な文化は住まい手と作り手によって支えられて守られてきました。
。
鈴鹿の左官職人 松木憲司 三重県伊勢市に300余年の伝統を持つ赤福もちがあります。 左官の技術伝承にもこのかまどは大変な役目を持っていて、去年より我々(尾崎・西川・松木)の他に淡路島の植田さんが参加し、新しい発想により技術が進歩し始めております。
11一方、伊勢磨きは表面を磨き鏝とカチカチとたたきすべらすことにより、さらに輝きを増します。 この赤福本店に、日本を代表するだるま型3連かまどが店のシンボルとして永年お客様を招いています。 この町には他にも多数のかまどが今でも使用され、残っています。
タデラクトは、硬度8. この時タデラクトにはスサがまったく混入されておらず、代わりに砂が入っていることに気がつき、伊勢磨きの材料に似ているなと思っていました。
皆その磨きの輝きと特に工法に感激していました。
特に昔は、火を使う神聖な場所として信仰の場でもありました。
この町でかまどを代々受け継がれている、尾崎孝之さんがいます。 原理的にとてもよく似た工法であると実感しました。 もちろん毎日蒔を入れて火を付けていますので、日本の伝統を伝える大切な場所です。 最近の住宅事情を見ると、キッチンの近代化はかまどを無用の物にしてしまいました。
16。
。
。
。
。
。
。
。
。 。
。
。
。