共同統治帝のルキウス・ウェルス(31歳)がパルティア戦線に出征• さらに、運命に定められたすべてのことを考えてみなさい。
1【朗読】 渡辺大(俳優) 【語り】 墨屋那津子 「肉体に関するすべては流れであり、霊魂に関するすべては夢であり煙である」と語るマルクス・アウレリウスは、人間の条件を「絶えざる変化」だと洞察する。
ルキウスはシリアにとどまったが部下の将軍が奮戦し、165年にを占領、ローマの勝利に終わった。
そんなときには、気持ちを落ち着かせるため、寝床で『自省録』を読むことにしています。
そのため、庶民から人気が高かったと言われています。
マルクス・アウレリウスが生きた時代は、洪水や地震などの災害、ペストなどの疫病の蔓延、絶えざる異民族たちの侵略など、ローマ帝国の繁栄にかげりが見え始めた時代。 しかし、そう言い切った自身の作品が、死後しぶとく受け継がれ、いつまでも読み継がれている。 外側にではなく内側にこそ価値があり、それを高めていくことこそが真の幸福であるという。
10自らの内面に語り掛ける、自らを省みる、というマルクス帝の行為は、実社会の自分と本来の自分との間を取り持ち、心の平静、生きる活力を得るための手段だったのかもしれません。
短いと言っても、一行で終わっている文から見開き2ページくらいにまでわたる文章まで長さは様々です。
マルクスアウレリウスはこの中でも哲学に興味を持ち、この頃に哲学的な生活様式を学んだとされています。
これを行うためには、自分のことを正しいと決めつける訳にはいかないため、常に謙虚な気持ちでいることが必要になります。
Episode 賢帝の唯一の失政 マルクス=アウレリウス=アントニヌスは五賢帝の一人として、人民に寛容と慈愛を示し、善政を施した。
16138年(16歳)• これは本書が著者の内省のために書かれ、本人以外の者が読むことを想定していないことに由来し、故に内容の要約は難しい。 また属州総督の反乱なども起こっており、決して何ごともなく安定した統治であったわけではなく、その死もゲルマン人との戦いの戦場における病死であった。
古代ローマ人は建築などの分野では花開きましたが、文化や教育の面では古代ギリシャの方が勝っていたため• しかし、賢者は 己の行いに善をおく。
マルクス・アウレリウスの人物像• 今後、岸見一郎さんが解説してみたいギリシャ哲学(念頭にあったのは、「饗宴」以外のプラトンの著作か、アリストテレスの著作)が何かないか質問してみたのです。
今回はその中からいくつかの断章を紹介してみたいと思います。
マルクス・アウレリウスの名言集 人生について 幸福はどこにあるのか? 名誉を愛する人は 他人の行為の中にある と考える。
【朗読】 渡辺大(俳優) 【語り】 墨屋那津子 マルクス・アウレリウスは「人間はいかに生きるべきか」を生涯考え抜いた。
124年(3歳)• マティス米海兵隊退役大将は、「マッドドッグ」や「戦う修道士」という異名をもつ人だが、ペルシア湾やイラク、アフガニスタンでの任務の際には、つねに持参していたという。
このローマ帝国始まって以来の異民族の大襲来にローマは極度の不安に陥った。
マルコマンニ戦争 ドナウ川流域に配属されていたローマ軍がパルティアとの戦争のため東方に移動して手薄になったすきをついて、166年末頃、系の諸部族がドナウ川を越えてローマ領属州(現在のハンガリー)に侵攻してきた。
ストイックという言葉の語源にもなっていますが、禁欲的で自律的な態度を取る哲学だと思えば理解しやすいかもしれません。 これは多様な民族を抱えるローマ帝国を統治する知恵でもあったが、何よりも自分が学んだストア哲学の「すべての人間は普遍的理性(ロゴス)を分けもつ限りみな等しい同胞である」というコスモポリタニズム(世界市民主義)がベースにあった。
14もっともよい復讐の方法は、自分まで同じような行為をしないことだ。
これはハドリアヌス帝が将来的にルキウス・ウェルスとマルクスアウレリウスを皇帝候補とすることを示すとともに、二人の地位を公にすることを意味していました。
彼の言葉を通して「人生いかに生きるべきか」「困難に直面したときどう向き合えばいいのか」といった現代人にも通じるテーマを考えます。
宇宙の自然という鳥瞰的な視点に立てば、すべてのものには意味があり価値があるということが感得され、それを受け入れるとき、なにものにも動じることなきストア哲学の理想「アタラクシアー(心の平安)」へといたることとなります。
第二巻と第三巻の冒頭には書かれた場所・状況が記されており、ここからこの二つの巻については執筆年を推定することができる。
とりわけ、戦乱と疫病の時代にあって切迫する死を凝視しつづけたの遺稿には、「死に対する言及が異常に多い」(170頁)。
徹底していることは、「現」に今ここにあるものへの信頼です。
神々を畏敬し人々の安泰を計れ。
そのロゴスが整った状態を 「アレテー」(徳=魂が優れていること。