本の世界と現実のバランス 物語の世界に入ってみたいという思いを叶えてくれる一冊。 そのおばあさんに対してケリをつける深冬の気持ちというのを、ちゃんと救ってあげるような閉じ方をしたかったというのはあります。
11読長町にある御倉館の管理人である御倉あゆむの娘だ。
BOOKウォッチでは世界41か所の「本の街」を取り上げた『世界のかわいい本の街』(エクスナレッジ)を紹介済みだ。
どんでん返しのストーリー展開に驚きたい こんな感じでしょうか。
』では、『戦場のコックたち』で 2位に、『ベルリンは晴れているか』で 10位になったのです。
嘉市の娘、たまきに引き継がれた後にある事件が起こってしまいます。
たぶん登場人物にさほど魅力を感じなかったからかも。 ラストの謎解きまで一気呵成に読み切ること間違いなしの絶品エンタメです。
まるでポップコーンのように次から次へと言葉たちがはじけ飛ぶ。
ハードボイルドやファンタジーなど 一冊の中に幅広いジャンルの物語を楽しめます。
そしていまや町全体が『繁茂村の兄弟』の世界に変化しているというのだ。
「呪われて、読む。
7そしてブックカースという魔術的=西洋的な呪いが、日本的なお稲荷様との、なにやらダークな契約を交わしているという和洋折衷感(契約というのも西洋的)。 ある不思議な体質を持っている二人の兄弟に関しての物語。
「本」が重要なモチーフになっていますが、深緑さんが今回、本を取り上げたのはなぜなんでしょうか。
そして、その一話ずつの タイトルもこの本のタイトルと 同じように不可思議です。
多分、こんな怒り方する人いるよな って思ったからです。
読長町という町に書物の蒐集家で評論家の御倉嘉一の膨大な書庫、御倉館があります。 この本を読む者は、そんなワクワクするような読書体験を深冬とともに味わうことでしょう。
7第2次世界大戦や終戦直後のベルリンを舞台にした歴史ミステリーで読書人たちを虜にした深緑野分さん。
深緑さん: 「本」というのは、見た目には一体何が書かれているのかが全く分からないんですけれども、開けてみるとそこに文字が書いてあるだけなのに、読んでいくとどんどん空想が広がるというか、物語の中にのめり込んでいく。
私も子どもの頃、ミヒャエル・エンデの『はてしない物語』を読んで、本の中に入り込むことに憧れた覚えがある。
世の中に起こる現象には必ず科学的根拠があって、数値化され、分析され、論文として発表されている。
だから、本って楽しいんだよなぁと思うのでした。 巨大な書庫! 狐神! 魔術のかけられた本! どうですかこのメインディッシュしか出てこないコース料理は。
6ラストにかけてのミステリー的要素は面白かったし、色々な物語に入るという設定は良かったけれど全体的に何かが物足りなかった。
いろんなことがあって本が嫌いになってしまったようだが、 好きになってもらえてよかった。
ファンタフィクション• 本の町で起こる不思議な現象 物語の舞台になっている読長町は、本の町として名が知られています。
概ね予想は当たりましたが、 これまでの深緑野分さんの作品 としては現実的な内容で 謎解き要素がイメージとして強かったため、 今作はファンタジー要素が 入っていて驚きました。
そういえば、本書の版元はKADOKAWA。 稀覯本200冊がそこの書架から消え失せてしまい、狐神により書物のひとつひとつには奇妙な魔術がかけられています。 「ああ、読まなければよかった! これだから本は嫌いなのに!」 書物の蒐集家を曾祖父に持つ高校生の深冬。
15奇想天外な展開は、本の中にある果てしない空想世界を表現したかったのかもしれないが、途中で何を読まされているのかわからず、読者自身が迷子になってしまうような内容でした。 御倉館にあるのは、書物の蒐集家として有名だった御倉嘉市と、同じく蒐集家であり、本に情熱を注いだ娘のたまきによって集められた本である。
この構造を壊して、町を救うにはどうしたらいいのか? 作者の知恵の見せ所だ。
さらに、角川源義文庫、山本健吉文庫、竹内理三文庫、外間守善文庫、山田風太郎文庫のほか、個人蔵書の書物が計5万冊ほど収められる。
深冬は呪いがかけられ、本の世界に入り込み、犬耳の少女真白とともに、次から次へと違う本の世界に入って冒険をします。
いやいや、キッチリ訂正してさしあげよう。 私が言うことを聞かないと、「もういい」と言って母が寝室に入っていっちゃうんですね。 本にあふれた町で、由緒ある本読みの家に生まれたが、大の本嫌いの高校生、深冬(みふゆ)。
6ある日、御倉館から蔵書が盗まれ、父の代わりに館を訪れていた深冬は残されたメッセージを目にする。 ****** 本作の舞台となるのは、角のまるい菱形をした「読長町(よむながまち)」。
私の場合は• 泥棒を捕まえない限り世界が元に戻らないと知った深冬は、探偵が銃を手に陰謀に挑む話や、銀色の巨大な獣を巡る話など、様々な本の世界を冒険していく。
本嫌いだった深冬が、この呪いを解こうと本を読むうちに、読書の楽しさに気づいていくという心理的な変化も注目です。
1冊1冊手で写していくわけですから、本はとても貴重なものでした。