ウィン スロー 孔 ドレーン。 照林社

開腹手術の名脇役ドレーンを有効に使うために

ウィン スロー 孔 ドレーン

こんにちは。 私は消化器外科病棟に勤務している看護師です。 膵臓腫瘍などの患者さんに実施される膵頭十二指腸切除術(以下:PD)では、術後のドレーン管理が重要になってきます。 それは、膵臓という器官がとても軟らかく、うまく縫合していたとしても膵液漏を起こすリスクが高いためです。 膵液漏を起こすと最悪の場合、患者さんは出血死に至ります。 そのため、しっかりドレーンの管理を行っていく必要があります。 では、どのようにドレーンを観察していくとよいかを一緒に勉強していきましょう。 ウインスロー孔とはどこにあるのか? これは質問者さんの手元にある教科書を一度見てもらえたら分かると思いますが、簡単に言うと、胃と肝臓の間です。 この部分は腹膜の折り返し地点になっており、そこには網嚢と呼ばれる部分があります。 網嚢では仰臥位になると液体が貯まりやすいです。 術後は、手術中に回収することができなかった血液や洗浄液が網嚢の部分に貯まってしまいます。 少量であれば再吸収されると考えられますが、キャパを超えてしまうとその部分で貯まったままになるのです。 そうすると細菌類の培地となり、膿瘍を形成したり腹膜炎を併発したりします。 そうならないためにも、ウインスロー孔にはドレーンを挿入し、早期に血液や洗浄液を体外へ流出させることを目的としています。 また、ダグラス窩も同様の理由で留置されることが多いです。 ウインスロー孔ドレーンの正常な排液性状とは? 術後の血液や洗浄液を排出するために、手術当日や術後1日目は、血性や淡血性で経過します。 これは、正常にドレナージが実施されていることの指標にもなるものです。 術後2日目になれば、淡血性〜漿液性(腹水様)に変化していきます。 これは、ウインスロー孔に貯まっていた血液などが排出されたためです。 しかし術後2日目になると歩きはじめるため、歩行により一時的に血性が強くなることもありますが、問題はありません。 術後2日目の正常なドレーン排液は、淡血性〜漿液性だと考えてください。 次に、異常な排液の場合です。 PDでは、膵頭を切除し、膵尾部と結腸を吻合しています。 ウインスロー孔ドレーンはこの近辺を通っています。 もし、その吻合部に何らかのトラブル(縫合不全や膵液漏)が起きた場合にはどのようになるでしょうか? 膵液は、タンパク質を溶解します。 それは、食品だけでなく私たちの体内も同様にタンパク質でできているため、膵液が漏れれば漏れるほど、腹腔内の臓器は溶解されていくのです。 特に、動脈の壁を溶解した場合は出血を来します。 膵液漏が起きた場合には、ウインスロー孔ドレーンは、血性やワインレッド色に変化します。 このような変化が起きる前に、患者さんは何らかの腹痛や違和感を訴えることがあります。 その際は、すぐにドレーンをチェックし、排液の性状の変化を確認する必要があります。 もしこのような排液の変化があった場合は、すぐに看護師や実習についてきている教師に報告をしましょう。 そしてしかるべき処置を早期に実施する必要があります。 おわりに.

次の

ウインスロー孔ドレーン 乳び

ウィン スロー 孔 ドレーン

排液の性状と量です。 性状と量の異常を知っていることで、、縫合不全、感染を発見できます。 〈目次〉• 4. 腹腔ドレーン留置の目的 腹部の手術の多くは臓器を切除して縫合または吻合します。 切除した部位のと縫合部の漏れがないことを確認してから閉腹しますが、術後に予期せぬ出血や縫合不全が起こる可能性があります。 ドレーンが入っていれば、出血や消化液の漏れを早期に発見できて対処できます(情報ドレーン、)。 また、縫合不全ではドレーンから排液できることで、腹腔内に膿瘍を形成することなく、保存的治療で治癒することもあります(治療的ドレーン)。 腹腔ドレーン排液の正常と異常 手術では組織を切るのでいくらか出血を伴います。 止血を確認し洗浄して閉じても、手術当日のドレーン排液は血液が混じります()。 図1正常な排液 切除当日 術後出血がなければ、徐々に赤い色は薄くなり量も減ります。 やがて紅茶のような濁りのない排液になります。 正常の排液の変化の経過を知らなければ異常を発見できず、また正常を異常と誤りあせってしまうことにもなります。 大きな手術ほど排液がきれいになるのに時間もかかります。 また、切ってつないだ臓器によって漏れる液体の性状が違うので、術式ごとに排液の正常と異常を知っておかなければなりません。 出血量が1000mL以上になるとが低下しはじめ、を確保するためにになります。 腎血流が低下しても減ります。 ショック状態になってからでは遅いので、特に術後1時間はドレーン排液の性状と量、そしてサインの変化に注意し、持続出血と判断したらただちに医師に報告しましょう。 また、排液が減ったと思ったら、ドレーンが屈曲していることもあります。 体位の変化によっても量が変化するので注意が必要です。 縫合不全で漏れる液体の術式による違い 胃全摘術では左下やウインスロー孔にドレーンが留置されます。 縫合不全では、腸液、胆汁、膿汁などの混じった排液(茶色、黄色、緑色などが混ざった混濁した液)になります。 表2注意を要する排液の性状 術式 排液の性状 胃全摘術 混濁液 低位前方切除術 便汁 切除術 胆汁、血液 摘出術 胆汁、血液 膵頭十二指腸切除術 血液、混濁液 低位前方切除術ではダグラス窩に留置され、便汁が漏れます。 肝臓、胆管、胆囊の手術では右横隔膜下やウインスロー孔に留置され、濃黄色の胆汁が漏れます。 また肝硬変があるとの排液がなかなか減らないこともあります。 の手術では、膵液が漏れると組織を溶かします。 血管壁が溶けると出血して赤ワイン色の排液になり、ときに大出血の危険もあるので医師に報告します。 白濁した甘酸っぱいにおいの排液も膵液が漏れたときの特徴です。 ガーゼ交換のときに、ドレーン刺入部の周囲やガーゼから特有のにおいがします。 注意すべきはドレーンの先端が移動したり閉塞したりして、漏れた液がドレナージされずに腹腔内にたまる場合です。 漏れた消化液に含まれる消化酵素や細菌、毒素などが排出されないため、重篤な腹膜炎になることがあります。 排液が少ない、あるいはきれいだと安心していると、ドレーンが機能していなかったということもあるので、X線などでもドレーンの位置を確認しましょう。 本記事は株式会社の提供により掲載しています。 [出典] (編著)西口幸雄/2014年5月刊行/.

次の

食道手術後ドレナージ

ウィン スロー 孔 ドレーン

腹腔ドレーンの種類 ドレーンには 開放式ドレーンと閉鎖式ドレーンの2種類あるのでそれぞれの違いを押さえておきましょう。 開放式ドレーンと閉鎖式ドレーンの特徴と比較は以下の通りです。 開放式ドレーン ドレーンの端が刺入部から出た状態で、 先端にバッグは接続されていません。 ドレーンの先端をガーゼや吸収ドレッシング剤で覆う形で使用され、排液が少なく 早期に抜去できると予測される場合に用いられ自然に排液させます。 閉鎖式ドレーン ドレーンの先端を排液バッグに接続して自然の圧差や重力で排液させるものと、 持続吸引を接続して陰圧をかけて排液を促すものがあります。 閉鎖式ドレーンのバッグは挿入部位よりも低い位置で保持することと、 感染するリスクが低いことがポイントです。 これらが閉鎖式、開放式ドレーンの違いです。 臨床では開放式ドレーンは盲腸の通常手術時に使用されたりしていますが、 盲腸でも腹膜炎を発症している場合は閉鎖式を使用することが多いです。 また、消化管手術の時は感染のリスクを考えて閉鎖式ドレーンを使用します。 腹腔ドレーンの観察項目 排液量 1時間あたりの量 排液 色、性状、臭いの有無 ドレーンバッグの位置 ドレーン刺入部位 発赤、疼痛、浸出液の有無など 腹腔ドレーンのポイント 腹腔ドレーンは、手術部位によって留置される部位が違うので 「どこに入っているのか」を把握しておく事が大切です。 手術室からの申し送りでは、 ドレーンの留置部位に関しては必ず申し送りがあるので、聞き逃さないようにしておきましょう。 また、ドレーンの色や量、性状などの観察も重要なポイントになります。 術後は帰室後の排液量によっては、 術後出血を起こしている事が分かるので、観察が必要です。 私も病棟で働いていた時は、ドレーンの排液量が多く、術後出血を起こしていた経験をした事があります。 帰室したらドレーンのメモリを確認し、1時間あたりの量を把握しておきましょう! 腹腔ドレーンのケアが上達するために 腹腔ドレーンは、手術部位によって挿入場所も変わるため、 苦手意識を持っていた人も多いと思います。 手術室との引継ぎで、 ドレーンの挿入部位を聞いておらず困った経験をした人も多いのではないでしょうか? 術後のドレーンの情報は、患者さんの 異常の早期発見にも繋がる大切な情報です。 術後は特にこまめに観察を行う事が大切です。 腹腔ドレーンをもっと深く学びたい人におすすめの参考書 腹腔ドレーンについてもっと詳しく学びたい人には、こちらの参考書がおすすめです! () この本では、 ドレーンの種類・目的から、観察方法、患者指導、ドレーン別のケアポイントなど基本中の基本をまとめている1冊です。 カラー写真とイラストを使って丁寧に解説しているので、パッと見て理解しやすい内容となっていて、 ドレーン管理の基礎を学びたい人にはおすすめです。 その他にも、ドレーン管理をはじめ呼吸器外科について深く学びたい看護師のために、おすすめの参考書をまとめていますので、是非こちらも確認してみてくださいね! 関連記事(PR含む).

次の