万引き家族 ネタバレ。 万引き家族のネタバレあらすじと感想は?亜紀とりんの結末とラストも

カンヌ受賞『万引き家族』あらすじ(ネタバレあり)・キャスト【是枝裕和監督の新作!海外では高評価続々】

万引き家族 ネタバレ

映画情報 【万引き家族】2018年公開日本映画。 万引きをしながら生活する血の繋がりのない疑似家族の絆を描いた作品。 是枝監督が 構想10年をかけて作り上げた今作は 家族のつながりと絆について深く考えさせられる作品となっている。 キャッチコピーは、 盗んだのは、絆でした。 第71回カンヌ国際映画祭で最高賞であるパルム・ドールを獲得。 日本人監督作品としては21年ぶりの快挙となった。 原題:万引き家族 上映時間:120分 監督:是枝裕和 出演者:リリー・フランキー(柴田治)、安藤サクラ(柴田信代)、松岡茉優(柴田亜紀)、池松壮亮(4番さん)、城桧吏(柴田祥太)、佐々木みゆ(ゆり)、高良健吾(前園巧)、樹木希林(柴田初枝)ほか 出典「万引き家族」より 安藤サクラさんのプロフィール紹介 今作「万引き家族」で安藤サクラさんが魅せた見事な演技は映画であることを忘れてしまうほどのリアリティーがありました。 ここではそんな大女優の安藤サクラさんについて簡単に紹介したいと思います。 安藤サクラさんは1986年2月18日生まれの日本の女優です。 父に俳優の 奥田瑛二、母にエッセイスト・ 安藤和津を持つ芸能家族の次女として生まれました。 また2012年に結婚した夫は俳優の 柄本佑で2017年に 第一子となる女児を出産しました。 「万引き家族」の出演依頼があった当時、安藤サクラさんは子どもを持ったことで自身の役者としての考え方が変わったので、出演できるかは分からないと答えたそうです。 それだけ「万引き家族」という題材が安藤サクラさんにとって センシティブな内容だったことがうかがえます。 安藤サクラさんの他出演作品には、『百円の恋』『DESTINY 鎌倉ものがたり』『0. 5ミリ』『追憶』などがあります。 是枝監督が絶賛した涙のシーン裏話 劇中終盤で安藤サクラさん演じる信代が取調室で涙をこぼしながらも気丈にふるまい警察官相手に自白するシーンは実に見事な演技で鳥肌者でした。 自分も気づいたときにはもらい泣きしていました。 是枝監督はインタビューの中で、 あんな風に泣く女優さんを見たことがないと絶賛しています。 カンヌ映画祭の審査委員長ケイト・ブランシェットもこの演技は見事だったと評価しました。 また是枝監督は安藤サクラの演技についてインタビュー内でこう表現しています。 「あのシーンの凄いところは、ほとんどがアドリブに近い演技だったのにも関わらず、あそこに座っていたのは ずっと信代だったことです。 」「 安藤サクラではなく、 信代が信代として泣いているシーンは見ていて鳥肌が立ちました。 」 ぽろぽろとこぼれ落ちる涙を気丈に拭いながら強いまなざしで警察官の詰問に答えていく信代は母そのものでした。 安藤サクラさんの女優としての底力を見たようでとても震える名シーンとなっています。 是枝監督の特殊な演出アプローチとは? 安藤サクラさんが魅せた渾身の泣き演技。 実はこのシーン 是枝監督お得意の演出アプローチによって生まれた神場面だったのです。 是枝監督はリアリティーを追求するため、 役者に台本を渡さず口頭で大まかな内容を伝えるという手法をよく取るそうです。 この尋問シーンでは、安藤サクラさんをはじめ尋問する警察官役の池脇千鶴さんたちにも台本を渡さず、 口頭やカンペだけで内容を伝えたそうです。 そうすることで ある種の緊迫感と現実味のあるリアルな演技を演出することに成功したのです。 是枝監督が使うこの手法は映画『誰も知らない』などにも積極的に使われているんだよね。 そのおかげもあってか是枝作品の子役たちはリアルな演技をみせてくれるから好きだなぁ。 濡れ場のシーンは急遽とられたものだった? 安藤サクラさん演じる信代とリリー・フランキーさん演じる治が子どもたちのいない間に愛し合うという濃密な濡れ場が「万引き家族」の劇中でありました。 妙なリアリティーがあって鼻血が出そうなのを我慢した方も多いのではないでしょうか。 この濡れ場シーンは当初上手くカメラアングルで隠して撮るから 裸にはならないと伝えていたそうです。 しかし現場に行ったお二人の前にあったのは股間を隠す 前張りでした。 リリー・フランキーさんは困惑した様子だったそうですが、安藤サクラさんは覚悟を決めたのかあっという間につけたそうです。 是枝監督はこの濡れ場シーンについて「だましたという感じではなくて、夫婦が本当の夫婦に見えないといけないと思って撮りました。 」と照れながら打ち明けました。 松岡茉優さんの風俗店でのシーンも衝撃だったけど、安藤サクラさんの濡れ場シーンも生々しくて鼻血が出そうだった。 「万引き家族」は素晴らしい映画だけど 家族で観るのはやめた方がいいかも笑。 万引き家族の関係性をわかりやすく解説! 映画「万引き家族」では血のつながりのない疑似家族の絆をリアルに描いた名作となっています。 しかし家族の関係が映画中盤に差し掛かってから判明していくため、混乱している方も多いようです。 ここでは万引き家族もとい柴田家の相関図をわかりやすく紹介したいと思います。 表向きの相関図 表向きの家族構成は以下の通りです。 初枝おばあちゃんを年長者にその息子夫婦が同居するといういたって普通の家族構成となっています。 普通と少し違うと言えば、信代の妹である亜紀が同居しているくらいですが、こういったケースのご家庭も普通にあるので別段不審に思うほどではありません。 本当の相関図 柴田家の本当の相関図です。 驚くべきことに 全員が血の繋がらない他人でした。 こうしてみると他人同士というだけでなく子ども2人を誘拐している異常さが際立ちますね。 なぜ他人同士がこのような家族として暮らすようになったのか。 その詳しいいきさつは後半にまとめています。 初枝と亜紀の相関図 初枝おばあちゃんと亜紀の相関図です。 初枝おばあちゃんと亜紀は万引き家族の中で 唯一 因縁のある関係性でつながっています。 初枝おばあちゃんの元夫は女性と駆け落ちして逃げるように離婚しました。 そして元夫とその女性は後に結婚し、子供を設けます。 その子供が大きくなって成長し、やがて結婚して 生まれたのが亜紀でした。 初枝おばあちゃんと亜紀の間には 血縁関係はないものの他人とは言い切れない関係性があったのです。 このことは 初枝おばあちゃんしか知らない事実でした。 亜紀はこの関係性を警察に捕まったのち聞かされることになったのです。 初枝おばあちゃんはよく亜紀の実家に訪れ、元夫の遺影に線香をあげるという名目で 亜紀の親から慰謝料(迷惑料)をもらっていました。 このお金は結局、初枝おばあちゃんが死ぬまで使われずに預金されていました。 真意は不明ですが、後々このお金を亜紀に渡すつもりだったのではないかと思われます。 そう思わせるほど初枝おばあちゃんと亜紀の関係は良好で本当のおばあちゃんと孫のような温かな関係性だったのです。 治と信代のいきさつ 治と信代は過去に殺人を犯しています。 信代(本名:田辺由布子)には以前DVをふるう夫がいました。 そこに当時働いていた店の常連だった治(本名:榎勝太)と出会います。 そして協力して DV夫を殺したのでした。 この事件は裁判で 正当防衛だったことが認められ、執行猶予がつきました。 その後、2人は初枝おばあちゃんと出会い、初枝おばあちゃんの息子夫婦として同居するようになりました。 初枝おばあちゃんのいきさつ 初枝おばあちゃんには 夫がいましたが、別の女を作って駆け落ちしたことから離婚しています。 初枝おばあちゃんには 息子夫婦が実在していてその名前が治と信代です。 しかし 疎遠となっていて会うことはありません。 そこに 田辺由布子と 榎勝太と出会い、 自分の息子夫婦の名前を与え、一緒に暮らすようになりました。 亜紀のいきさつ 亜紀は父と母と妹の4人家族で暮らしていましたが、なんでもできる優秀な妹に深いコンプレックスを抱いていました。 そして親の愛情が妹に注ぎ込まれていると感じた亜紀は 家出をすることにしました。 そして初枝おばあちゃんと出会い、一緒に暮らすようになりました。 祥太のいきさつ 祥太は赤ん坊の頃、松戸市のパチンコ店の駐車場で治と信代に連れ去られました。 当時の状況として車上荒らしをしていた治が炎天下の中、 車内に置き去りにされてぐったりとしていた赤ん坊を見つけました。 このままでは危ないと判断した治と信代は赤ん坊を救い出し、 保護という名目で自分たちの子どもとして育てることにしました。 りんのいきさつ 団地の外廊下に放置された女の子を見つけた治は夕食を与えるため、一旦家に連れ帰ります。 食事を済ませた治と信代は女の子を家に帰すため団地に向かいます。 しかしそこで見たのは女の子がいなくなったことにも気づかず、怒号を飛ばし合う男女の声がありました。 女の子の体に 無数のあざがあることもあり、治と信代は女の子をゆり=りんと名づけ育てることにしました。 りんの本名は 「北条じゅり」です。 当初りんに名前を聞いたところ発音が聞き取れず、 「ゆり」として家族の一員になりました。 しかしその後、失踪事件が明るみになったことをきっかけにゆりの髪をばっさり切り、 名前を 「ゆり」改め 「りん」に変えました。 万引き家族が伝えたかったこと 個人的な推測ですが、万引き家族というタイトルには ふたつの意味があると感じました。 ひとつは 「物」の万引きを常習化している家族という意味。 もうひとつは 「人」の万引きによって成り立った家族という意味。 治と信代は祥太をパチンコ屋で、りんを団地のそばで誘拐しました。 これはいわば 「人」の万引き(窃盗)と言い換えられます。 そういう意味では初枝おばあちゃんも治と信代、亜紀を 万引きして自分の家族として引き入れたと考えることができます。 是枝監督は新しい家族の定義としてこんな家族をどう思うか伝えようとしていたのではないでしょうか。 犯罪を犯さないが、愛のない家族。 犯罪でつながった愛のある家族。 血の繋がった、愛のない家族。 血の繋がらない他人同士が寄り合った、しかし愛にあふれた疑似家族。 私たちはニュースでこれらをどう判断するのでしょうか。 愛は文面からではなかなか伝わりません。 客観的にみた文面では特に 感情の部分は排除されがちです。 犯罪を犯さない家族。 血の繋がった家族。 を正常として捉え、 犯罪でつながった家族。 血の繋がらない他人同士の疑似家族。 を異常として捉え、悪として認識してしまいます。 事の真相は本人たちの心にしかありません。 外側だけではなく、内側に目を向けることで印象が180度変わることもあるのでしょう。 そんな柔軟な考え方が世の中には必要なんだと感じた素晴らしい映画でした。 是枝監督が突きつける題材はいつも考えさせられるものばかり。 でも観終わった後には、 人生に深みが増したような満足感が得られるからクセになる。 初枝おばあちゃんはなぜ偽家族をつくろうとした? 初枝を演じた樹木希林さんは撮影中、是枝監督に「なぜおばあちゃんは血のつながりのない偽物の家族を作ろうとしたのか」何度も尋ねたそうです。 寂しさから?お金が目的?居場所のない人たちを救うため?何度聞いても是枝監督ははぐらかしたまま答えを教えてくれませんでした。 樹木希林さんも最後には是枝監督の言うとおりにするわ。 と言って答えを聞くことをやめたようです。 是枝監督はできるだけおばあちゃんの真意を樹木希林さんに伝えないようにしていたのではないでしょうか。 それは是枝監督自身にも分からない現象や動機が人にはあることを伝えたかったからのように思えます。 「観た人に感じて、考えてほしくて、あえて答えを提示するという方法を取らなかった。 」個人的にそう感じました。

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映画万引き家族のりんの最後(ラスト)の意味を考察!その後は?

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セザール賞とは? フランス版、オスカー賞とも言われる名誉ある賞です。 (この組織は1975年に映画プロデューサーであるGeorges Cravenneにより設立されたものです。 ) ちなみにセザールとは、設立者クラヴァンヌの友人である 彫刻家セザール・バルダッチーニらしいです。 受賞者に渡されるトロフィーはセザールの作品とのこと! 出典:wikipedia セザール賞授賞式当日の失敗!? アカデミー賞に向けて、是枝裕和監督はアメリカ、ロサンゼルスに滞在していました。 セザール賞にノミネートしていたので、受賞した場合に備えて授賞式用にメッセージを託していました。 しかし、当日トロフィーを受け取り、コメントを代読するスタッフが手違いによりその場にいなかったという大失敗をしてしまったそうです・・・!!折角受賞したのに、なんだか残念です・・・。 ちなみに、本当は読まれるはずだったメッセージはこちら カンヌのパルムドールがこの作品の出発だったので、その旅がセザールにたどり着くということで、幸せな旅の締めくくりが出来ました。 」 出典:朝日新聞デジタル 万引き家族とは? 出典:朝日新聞デジタル 去年2018年5月19日に「万引き家族」は 第71回カンヌ国際映画祭にて、長編コンペティション部門の最高賞、パルムドールを受賞しました。 映画に対して芸術やアート、時事問題、哲学を盛り込むフランス映画のように、「万引き家族」もなかなか色々な問題を含んだ映画でした。 家族の繋がりとは何なのか?という永遠のテーマを問いかけている映画です。 フランス人の心をグッと掴んだようです。 万引き家族の簡単なあらすじ あらすじと共に、どのような問題が含まれているのかをざっくりと紹介します。 まだご覧になっていない方は後ろの方にネタバレが入っておりますので、見ないようになさってください。 東京の下町、住宅街の奥にこっそり潜む平屋に身を寄せ合って暮らすある家族の物語。 家族の生活費のおおもとは、おばあちゃん(樹木希林)の年金です。 治の妻の信代(安藤サクラ)はクリーニング屋さんで働いています。 」からわかるように、彼らは 実は犯罪で繋がった家族なのです。 とても仲がよいわけではないけれど、何か強い結束力が彼らにはあるのです。 真っ直ぐに行きていけない、心に傷を抱えた人々の結束という感じもします。 考えさせられる部分が多いのと、普段見かけないような東京の裏生活の部分を見ているような気になる映画です。 彼らがそれぞれ幸せになっていけるならいいのですが、その後が気になる終わり方です。 問題となっている部分のネタバレ• 祖母の年金不正受給。 治と信代はそもそも2人で過去に殺人を犯しており、それで繋がってる仮の夫婦• 妹はそもそも信代の妹ではない。 おばあちゃんの元旦那が再婚した相手との間の孫。 治と信代には息子はいない。 誘拐してきた子供。 さらに万引きをさせて育てている。 女の子は児童虐待を受けており、可哀想に思った家族が誘拐してしまう。 お手数ですが、応援クリックをお願いします!.

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映画『万引き家族』評価は?ネタバレ感想考察あらすじ/何を盗んだ?産みか育ての親か?カンヌ受賞

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映画『万引き家族』評価は? 1更新 『万引き家族』あらすじ概要 カンヌ最高賞を受賞したの作品。 経済的に下層の家族が仕事だけでは暮らせず、子どもまでもが万引きを繰り返しています。 さらに、ゆりという少女を連れ帰り一緒に生活することになるが...。 続編前作や関連映画は、も参考にしてください。 柴田治(リリー・フランキー)は少年の祥太(城桧吏)と協力してスーパーで万引きします。 帰り道、団地の1階で凍えてた少女ゆり(佐々木みゆ)を見かねて連れ帰ります。 平屋には治の妻の信代(安藤サクラ)、その妹の亜紀(松岡茉優)もいます。 少女を万引きして家族に? (ネタバレあらすじ) 年金暮らしの祖母の初枝(樹木希林)はゆりが傷だらけだと気づきます。 翌日、治と信代はゆりを返しに行くが 室内から「産みたくて産んだんじゃない」と聞こえたので連れ帰ります。 治は日雇い労働の現場で負傷するが労災認定はされませんでした。 信代はクリーニング工場のパートだが、業績不振で出勤時間を削られリストラ候補になります。 亜紀はJK見学店で「さやか」と名乗って働きます。 治は祥太とりんと協力して高価な釣りざおを万引きすると、祥太はりんに嫉妬して「妹じゃない」とすねます。 TVニュースで行方不明のゆりが映り、本名じゅりと判明します。 じゅりの髪を短く切り「りん」と呼ぶことにします。 祥太はりんに駄菓子屋やまとやで万引きを教えるが、 店主(柄本明)にバレてお菓子をもらい「妹には万引きさせるなよ」と諭されます。 ばあちゃんの復讐?少年は善悪を判断? (ネタバレあらすじ) 信代はじゅりと暮らしてることを脅迫されてリストラを受け入れるが「話したら殺す」とおどします。 初枝は元夫の再婚相手の息子夫婦宅で線香をあげ3万円を渡されます。 夫婦の娘さやかは亜紀の実妹で、夫婦は亜紀がオーストラリア留学中だと信じてます。 亜紀は風俗店で4番さん(池松壮亮)にひざ枕して、その手に自分をなぐった傷を見つけて共感します。 家では信代と治がそうめんを食べて交わるが、翔太とりんが雨にぬれて帰宅するとふいてやります。 夜、家族全員で隅田川花火大会の音だけを聞きます。 家族で電車に乗り、海水浴場へ行き遊びます。 夜、 初枝ばあちゃんが死んでて、葬式代も火葬代もないため床下に埋めます。 信代は初枝の年金と預金116,000円をおろします。 家ではへそくりも見つけます。 翔太は治に車上荒らしを教えられるが実行しません。 スーパーでりんの万引きがバレそうだったので、翔太は商品を盗んで逃走し、負傷して入院します。 治と信代らは夜逃げする時に警察に捕まります。 翔太は置き去りにされたと病室で知ります。 信代は前夫を治と殺害して埋めたが正当防衛と判定されてたようです。 亜紀は初枝ばあちゃんが亜紀の実家から金をもらってたと知り、初枝を埋めたことを自白したようです。 その罪とじゅりの誘拐は信代が1人でかぶり、前科ある治も信代に押しつけます。 信代と治は パチンコ店の車内に放置されてた幼な子を救い、治の本名の「しょうた」と名付けてました。 翔太は児童施設から学校に通うが、治のアパートへも泊まりに来てバスで去る時に声に出さずに「お父さん」と言います。 じゅりは両親の家に戻るが、自分を責めることはせず... ネタバレ感想『万引き家族』考察や評価レビュー この先は ネタバレありの感想考察です。 続編前作や関連映画は、も参考にしてください。 本作 『万引き家族』は、2018年のカンヌ国際映画祭で最高賞パルム・ドールを受賞しました。 日本人としては1997年の今村昌平監督『うなぎ』以来21年ぶりの快挙です。 最高賞がグランプリと呼ばれてた頃もあわせると、日本人では5人目の最高賞受賞です。 是枝裕和監督はカンヌ国際映画祭では最高賞以外にも受賞歴があります。 『誰も知らない』では、映画祭史上最年少の最優秀男優賞(柳楽優弥)を受賞しています。 また『空気人形』『海よりもまだ深く』は「ある視点」部門に、『』『』もコンペティション部門に正式出品されました。 『』ではカンヌ国際映画祭の審査員賞を受賞しました。 豪華キャスト陣の競演・演技対決がみどころ? 下手な俳優女優はすぐわかりますが、それ以外の人の「演技力」の良し悪しは評論家の間でも意見が別れてることがあります。 ただ 「心を揺さぶられる演技・自然な表現」のみにフォーカスすると、本作での万引き家族6人の演技はどれも満点に近いです。 『愛のむきだし』『百円の恋』など数々の映画で評価されている安藤サクラは、裸体を見せただけでなく、絶妙な間やアドリブのような表現で魅了しまくります。 特にラストでの池脇千鶴との会話や、 リストラ時に「殺すよ」とおどす場面は狂気を感じます。 リリー・フランキーは「ひょうひょうとした優しいおじさん」と「ネジが飛んだモラルのない悪人」の両タイプを演じられる俳優になってますが、今回はこのどちらの要素もあわせ持つ人物を好演しています。 子役の城桧吏との掛け合いも見事です。 樹木希林は是枝映画の常連ですが、本作公開後の2018年9月に亡くなりました。 遺作は別作品です。 そう考えると『万引き家族』の 海岸での声のない「ありがとうございました。 」は映画内の家族と視聴者や仕事関係者に向けての二重の意味にもとれます。 樹木希林の台詞はアドリブも多そうです。 特に安藤サクラには海岸などで遠慮なしに女優としてのセリフをぶつけてた感があり、まさに「競演」です。 元夫を奪った家庭へ月命日に行く場面でも、恐ろしい復讐の鬼ぶりを見せてます。 松岡茉優は『』や主演の『勝手にふるえてろ』でその存在感を見せつけたけど、本作では異質な家族の一員ですが、風俗嬢を演じきったり、樹木希林や安藤サクラという化け物級女優と近い距離で演じたりしても「個性」を発揮できてます。 子役の使い方に定評のある是枝監督ですが、 城桧吏と佐々木みゆ、も演技というより大人の言動に自然に対応してるように見えて違和感が全くありません。 2人とも闇を抱える難しい役なので、わかって演じてるのなら将来が恐ろしい逸材です。 「万引き家族」タイトルの意味とは?別題は? 「万引きしながら生きる家族」と「万引きされて集まった家族」というダブルミーニング(二重の意味)だと思います。 治(リリー・フランキー)は万引きに罪の意識は感じなくなってます。 そして祥太(城桧吏)にも手伝わせます。 治は祥太が幼い頃、パチンコ屋の車に閉じ込められてるのを救い、万引きしたように連れ帰ったのです。 両親に放置されてた、ゆり(佐々木みゆ)も連れ帰ります。 初枝(樹木希林)はパチンコ屋で球を盗み、元夫の再婚先からお金をもらいます。 そのため、そこの長女の亜紀(松岡茉優)は、初枝からお金を免除してもらってます。 亜紀は裕福な家庭で育ったが優秀な妹に愛情を奪われた(万引き)と感じてるようで、 水商売店では「妹さやかの名前を盗用(万引き)」して汚しています。 初枝の「 血がつながってない方が余計な期待しないだけいい」が響きます。 初枝は元夫の再婚先の家族から、長女の亜紀を「万引き」したようになってて復讐心をも感じます。 ちなみに 『万引き家族』の当初のタイトルは『声に出して呼んで』だったそうです。 劇中でも治や信代(安藤サクラ)が、子どもらに「お父さん」「お母さん」と呼ばれたがってました。 それこそ是枝監督が伝えたかったテーマなのかも。 スイミーとは?万引き家族のメタファーか? 祥太は「学校は勉強できない者が通う所」ということを信じてるけど、学校での勉強には興味を持ってるようです。 国語で習う 「スイミー」とは、弱い小魚たちが集まり大きな魚の姿となって、襲ってきた大魚を追い払う物語だと治に話します。 学校教育を受けたのかあやしい治はあまり興味を持たないけど、治や信代たちの 万引き家族は「経済的に弱い人間の集まり」であり、スイミーに似ています。 大きな敵は「弱者を救済しない社会や国家権力」と考えられます。 祥太はわざと逮捕されたのか? ラストで祥太がおかした万引きは、ゆりを守るためとはいえ明らかに「わざと」のように見えました。 ここまでの過程でも、祥太がモラルや善悪について考え始めた描写がつづきます。 最初は治がゆりに万引きを教えようとした時です。 祥太はゆりが万引き家族になると、今まで得ていた治や信代からの愛情を取られてしまうような嫉妬を感じたのでしょう。 亜紀の妹に対する感情と似ています。 同時に 祥太はゆりに「万引きという悪事ぽい事」をさせたくないと思ったのでしょう。 祥太は治から「店の商品はまだ誰のものでもない」と教えられ信じてたけど、良心が芽生えてコソコソ盗むことに疑問も感じ始め、信代に確認したりします。 信代が、死んだ初枝の現金を引き下ろしたこともモラル的には納得してません。 治が車上荒らしする時には 「車の中の物はもう誰かのものでは?」と反発して実行犯にならず「物心ついた」のだと感じました。 しかしどうすれば「法的な悪事」から抜け出せるのかわからず、 最後の万引きはSOS信号のように思えます。 祥太は捕まった後、自分を捨てて逃げようとした家族に失望して罪を暴露します。 学校にも通えるようになり、同年代の友達を作ったり社会とつながる楽しみもおぼえたのでしょう。 それでも育ての親の治に恩は感じてるようだけど、 過去にとどまる治とは対照的に、未来へ進む姿をバスが象徴しています。 治が本名を祥太につけた理由とは?産みの親か育ての親か 治の本名は「榎勝太(えのき しょうた)」だと逮捕後に判明します。 つまり祥太には自分の本名と同じ「しょうた」と名付けたのです。 理由は語られないけど 「社会から消滅した自分のアイデンティティ」を祥太にたくしたのかもしれません。 また、ラストで飛び降りた祥太は治と同じように足をケガします。 信代と同じようなやけどあと(親からのDV)がゆり(じゅり)にもあったりと、疑似家族ながらも「 遺伝子以外の継承」のような描写があり興味深いです。 子を産めない体の信代は警察官(池脇千鶴)に 「産んだだけでは親になれない」と言いますが『万引き家族』はまさに「産みの親と育ての親を対比させる物語」です。 祥太もゆりも、育児放棄に近い産みの親に育てられるより幸せに見えます。 「 子は親を選べないし、幼い子は親から逃げる手段を思いつかない」ので、救いたい人が万引きしてでも連れて行き、育てるしかないのでしょうか。 もちろんそれは違法ですが、社会も国も救済しない子どもを救う方法は他にあるのでしょうか? 『万引き家族』では、子どもだけでなく独居老人についても同じように考えさせます。 初枝を捨てた(埋めた)のかと聞かれた時、信代は「 捨てたんじゃない。 誰かが捨てたのを拾った」と答えてます。 この家族が皆、拾いあったのでしょう。 『万引き家族』総括とアカデミー賞ノミネート ラストで亜紀(松岡茉優)は初枝(樹木希林)が実家からお金をもらってたことを知り、結局は両親のお金で生きてたことに気づき自白したようです。 しかし初枝の家に1人で戻ります。 初枝を継承し、新たな万引き家族を作るつもりかもしれません。 富裕層のマンションにはばまれて花火も音しか聞こえない、社会から隔絶された家で暮らしてた家族ですが、家庭内暴力(ネグレクト)・DV・育児放棄・リストラ等、 社会が拾えない問題における最後のセーフティネットが描かれています。 社会問題を描く映画は、アカデミー賞などでは評価されるけど、肩苦しくて大衆に受けにくい傾向にあります。 しかし 『万引き家族』は濃い社会問題をあつかうと同時にエンタメ性も確保してるので見やすいです。 カンヌだけでなくされ惜しくも『』が受賞しましたが、では12部門ノミネート13受賞しました。 演技派の俳優女優の競演だけでなく面白い映画なので、ぜひおすすめです!• 続編前作や関連映画は、も参考にしてください。 『万引き家族』シリーズ順番・映画ランキングや映画賞•

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