この作品、表紙がちょっと怖かったので手に取らなかったのですよね(笑) まさか児童書だなんて、ねえ? でも読んでみるとまるで違いました。 訳者あとがき=山田順子 *「繊細かつ心を震わせる優しさで描かれた、愛と信頼の物語。
『 肩胛骨は翼のなごり』(けんこうこつはつばさのなごり、原題: Skellig)は、による。
中華料理と鳥や鼠の死骸が好きな汚らしい天使スケリグ。
おはなしの中で、無垢なこどもが出会う未知なる存在といったら 天使とか神様とか妖精とか、どちらかというと神々しく清らかなものを想像するけれど スケリグは予想を気持ちよく裏切って、汚くて臭い上に無愛想なのに マイケルも、隣家の少女ミナも、どうしようもなく惹きつけられるのが かえってこどもらしく、リアルな感じがします。
でも主人公とミナが魅力的なので救われますね。
なんとか治療も終了したので快気祝いがてら読んでみた。
ミナの家庭はお仕着せの学校教育は子どものためにならないとして、学校に行かせない主義なのである。
透明感溢れる文体、繊細な描写、あたかも夢と現実が交差しているような美しいストーリーに魅入られました。
でも、難解なので、読解力のある高学年以上がいいと思います。
引っ越した家のボロボロのガレージで、僕は彼を見つけた。
そんなとき、マイケルは庭の古びたガレージの茶箱のうしろの暗い陰に、何か動くものを見つけた。
引っ越しの翌日、壊れかけたガレージで、マイケルは、ほこりまみれ蜘蛛の巣だらけの「彼」を見つける。
ミナは学校に行かず、家で本を読んだり絵を描いたりして暮らす不思議な少女。
守るべき愛する存在を抱えるに至ったエリンは、やがて自らの意思で孤児院に戻り、問題から逃避せず正面から受け止める姿勢を身につけています。
まあだいたい、学校に行ってなくて画家のお母さんに色々なことを教わったりしながら暮らしていて教養豊富でお父さんは亡くなっていて…という設定だと性格づけが決まってくるのでそこは仕方がない? 同じ作者の『ミナの物語』という小説もあるようなので読みたい。
すべての暗雲を払拭するような明るく優しいラスト。
はい、次なるデヴィッド・アーモンドさんの作品に、いずれチャレンジしたいと思います。
生まれたばかりの体の弱い妹、不思議なしっかり者の隣の家の女の子、懐かしい学校の友だち。
無償の愛が彼らの死をも追い散らしたって事なんだろうね。 わたしもきっと窓から外を見て世界の存在を確かめたくなるだろうし、くるくる回るのが少し怖く感じるだろうなと思った。
ママは赤ちゃんにかかり切りなのだ。 そんなスケリグが、マイケルやミナの助け得て、心を開き癒されていく。
九月猫さんも書かれてますが、治療が終わってすぐって あれもしなきゃ、これもしなきゃと無理しがちなので、くれぐれもお体大切に。
ミナとスケリグは、そんなマイケルの心を慰めてくれる存在だったんでしょうね。
『愛は我々を息づかせる幼子、死を追いちらす幼子』 両親や周りの無償の愛によって、赤ちゃんは生きる。
そうでしょ?」 というセリフから、イギリスではよく使われる表現とも受け取れるのですが・・・ また、「肩甲骨 天使の翼」「肩甲骨 天使の羽」という複合キーワードで、検索エンジンGoogleにかけてみてください。
作者さんの、子ども心の描写の上手さには参りました。
マイケルの両親や赤ちゃん、友人たちや先生など、登場人物とのからみや小さな逸話も多く、しかもそれらがちゃんと繋がり合い、実に上手く構成されている。
それが原題にもなっている「スケリグ」。
本作を読んで、それがまさしく当然のことであるということが納得できます。 児童書なのに、学校教育反対勢をあんなに書ききっちゃって、社会的に許容されたんだろうかと気になってしまった。
11著者はもともと教師らしい。
それゆえに感じないではいられない命の揺らぎを、読者も思わずその頃の自分にフィードバックして味わってしまうかもしれない。
おすすめしてくれた、ブクログのお仲間さん、どうもありがとう。
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