発達 障害 仕事。 【発達障害と仕事】~仕事をする上での課題と対策を考える~

職場での知恵と工夫|発達障害を生き抜くために

発達 障害 仕事

mokuji• 大人の発達障害の特徴を知る 大人の発達障害とは 発達障害とは、脳の認知機能の偏りにより、普通の社会生活が送りづらくなる症状だ。 認知機能とは、モノゴトを正しく理解し、適切に行動するための機能のことだ。 発達障害はこれまで子供の問題として扱われてきたが、近年は同じ症状に苦しむ大人が注目されはじめた。 子供の発達障害は知的障害を同時に抱える場合があるが、大人の発達障害の多くは知性に問題は見られない。 普通の生活を送り、大学を卒業し、就職したあとで、はじめて発達障害だと気づくのが大人の発達障害の特徴だ。 大人の発達障害が注目されるようになった背景には、社会の変化がある。 日本の中心となる仕事が製造業からサービス業に変わり、従業員はより柔軟な対応を求められるようになった。 デジタル機器の発達により、仕事の量が急激に増えた。 いままで目立たなかった大人の発達障害を持つ人たちが、この変化についていけないことであぶり出されたのだ。 大人の発達障害で仕事の支障となるのは2種類 仕事の支障となりやすい大人の発達障害は、大きく分けて2種類だ。 ひとつは「ADHD(注意欠陥多動性障害)」。 ADHDには、不注意と多動生・衝動性のふたつの特徴がある。 注意力が続かず、忘れ物や遅刻が多くなるのが不注意の特徴。 せっかち、怒りっぽいのが多動性・衝動性の特徴だ。 もうひとつは「自閉スペクトラム症」。 自閉スペクトラム症は、他人との関係を作るのがむずかしい症状。 相手の気持ちを無視するような発言など、空気を読めない行動が特徴だ。 ルーティンワークのようにパターン化された仕事は得意だが、状況の変化に応じて、適切な行動をとることができない。 ふたつの障害特徴を併せ持つ人も多い。 どちらの症状も、パターン的な行動を好むという点で共通している。 ルーティンワークは得意だが、臨機応変に対応するのは苦手だ。 発達障害の仕事上での問題 ADHDも自閉スペクトラム症も、脳の機能上の問題だ。 しかし、まわりからは「だらしない」「気遣いができない」など、性格の問題として見られる。 そのため、職場の人と衝突したり、怒られたりする機会が増える。 そのストレスが原因となり、うつ病などの二次障害を引き起こすこともある。 うつ症状のきっかけが発達障害の可能性もあるのだ。 大人の発達障害の特徴は、大なり小なり誰にも当てはまるものばかり。 発達障害を持つ人が働きやすい職場を作るには職場の人たちの理解が必要だ。 とくに上司は、発達障害の特徴を理解し、部下の個性だと受け入れること。 できることと、できないことを見極めた上で指導することが大切になる。 大人の発達障害の治療 大人の発達障害を完全に治療するのは、現在の医学ではむずかしい。 薬で症状を抑えることはできても、脳の機能自体を変えることはできない。 発達障害の治療は、障害とうまく付き合いつつ、社会に適応する訓練を行う。 ADHDなら忘れ物を防ぐ工夫を、自閉スペクトラム症なら好印象を与える態度や言葉遣いを指導される。 社会人のマナー教室と同じだ。 うっかりミスすることや、空気を読めないことは誰にでもあること。 大人の発達障害を抱える人と普通の人とのあいだには、はっきりした境界線はなく、ただの濃淡の問題だと考えられている。 大人の発達障害の仕事上での特徴と職場での対応 1同じミスを繰り返す 何度も注意しても同じミスを繰り返すのは、ADHAの特徴だ。 ADHDの人は、言われたことを一時的に記憶する「ワーキングメモリ」の容量が少ないと考えられている。 モノゴトの手順や方法を忘れてしまうことが多い。 本人の対応 記憶に頼らないこと、メモを取ることが大切だ。 手順が決まっている仕事はノートに手順を書き、いつでも見れるようにマニュアルしておくといい。 職場の対応 頼みごとをするときは、指示内容をはっきりとシンプルに伝える。 「あの資料」「できるだけ早く」など、あいまいな言葉は使わないこと。 「A社に渡すBの資料、〇/〇の朝〇時までに用意してほしい」と具体的に表現する。 相手がメモを取っているのを確認しながら、ゆっくり話すのも大切だ。 2忘れ物や遅刻が多い ADHAには多動性・衝動性・不注意の3つの特徴がある。 なかでも、大人の発達障害でもっとも目立つのが不注意。 持ってくるものを忘れる、紛失する、ふたつ以上のことを同時に頼まれると先に言われたほうを忘れる、遅刻が多い、などだ。 本人の対応 ICカードなどの小物類は、カードホルダーに入れてバックに取り付けるなどの工夫する。 予定はスマートフォンのデジタルカレンダーに入力し、リマインダー(アラーム)機能を使うと、忘れたり遅刻したりするのを防げる。 職場の対応 同時に多くの指示を出さないこと。 ふたつ以上の仕事を頼むときは、優先順位を本人といっしょに確認する。 「Aの仕事は〇時まで、Bの仕事は〇時まで」というTODOリストをいっしょに作り、本人の目に入る場所に貼り付けるのも良い方法だ。 3雑談が苦手 自閉スペクトラム症の人はコミュニケーション全般が苦手。 会話をパターンとして判別するため、話題があちらこちらに飛ぶ雑談では混乱しやすい。 急に黙り込んだり、おかしな発言をしたりし、職場の人のひんしゅくを買う。 何度も繰り返し、距離を置かれることもある。 本人の対策 「雑談は話題が飛んでもいい」と認識し、笑顔であいづちを打つことからはじめる。 礼儀正しく挨拶をする、親切にされたらお礼を言う、など徹底し、失礼な人と思われるのを防ぐ。 職場の対応 職場の人は、大人の発達障害を本人の個性だと認め、おなしな人だと決めつけないこと。 人と接すると疲れやすいという特徴を理解し、飲み会などをしつこく誘わない。 断られても、付き合いが悪いと責めないことだ。 4においや音に敏感 自閉スペクトラム症の人は「感覚異常」を示すことがある。 五感が敏感になりすぎる症状だ。 光をまぶしすぎると感じたり、特定の手触りのものを嫌がったりする。 騒がしい場所での会話では、相手の声を拾って聞き分けることができない。 香水や排気ガスなどのにおいが混じり合う場所では気分が悪くなる人もいる。 本人の対応 どうしても必要なとき以外は、苦手な場所に近づかないこと。 症状をはっきりと相手に伝え、サングラスやマスク、耳栓などをつける許可をもらうといい。 職場の対応 感覚が敏感な人は普通に生活をしているだけで普通の人よりはるかに疲れやすい。 自分自身の体調を整えるのが苦手なので、休息をとるのも下手だ。 職場の人は、本人の様子を伺いつつ、体調が悪そうなら「少し休んでもいいよ」と声をかけてあげる。 5環境の変化に馴染めない 大人の発達障害を持つ人は、職場の異動などで仕事の環境が変わると、うまく適応できない特徴がある。 本人の対応 ADHDの人は活動的なので営業や販売に適性を示すことが多い半面、移動や昇進でデスクワークが増えると強いストレスを覚えることがある。 イライラして怒りっぽいパワハラ型の上司になるかもしれない。 自覚がある人は異動希望を出し、元の場所に戻してもらうことだ。 自閉スペクトラム症の人は、ルーティンから外れた仕事に混乱しやすいのが特徴だ。 いつもと違う業務や、例外的な要素を含む仕事には拒否反応を示す。 変更部分を文章や図として書き出し、新しい仕事として覚えるのが望ましい。 職場の対応 職場の上司や人事権のある人が、「環境に馴染めない」という特徴を事前に見抜くのはむずかしい。 異動先で不適応の症状がでたとき、大人の発達障害の可能性も頭に入れつつ、今後の対応を慎重に検討する。 大人の発達障害を持つ人は、自分に向いている仕事が見つかると見違えるように有能な社員に変わる可能性があることを覚えておきたい。

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発達障害に向く仕事・働き方 「一般雇用」と「障害者雇用」の違いから : 就職・転職

発達 障害 仕事

誰でも就職するときにまず考えるのは、「自分にはどんな仕事が向いているのだろうか?」ということではないでしょうか。 ただし、発達障害の多くの人は、自身の発達障害の特性により、「向いている仕事」「向かない仕事」というものが一般の人よりもはっきりと出やすいでしょう。 もし、発達障害の特徴がマイナスに出てしまう、いわゆる「向いていない仕事」についてしまった場合、長期就労が難しいだけではなく、仕事が上手くいかない不安感やストレスから、うつ病などの二次障害を引き起こしてしまうことも考えられます。 では、発達障害の人にはどのような仕事が向いているのでしょうか。 発達障害と一口に言っても、その種類と特徴はさまざまです。 ここでは発達障害の種類ごとに向いている仕事と、発達障害の人がその仕事に向いている理由などについて詳しく解説していきます。 発達障害とは 発達障害とは、生まれつき脳の発達が普通の人と異なるために、脳の働きに偏りが見られる状態のことを言います。 この発達障害により日常生活の中で、普通の人と同じように生活していくことが難しいこともありますが、その原因は決して親の育て方が悪かったり、心理的な病気が原因であったりするものではありません。 発達障害は大きく3つに分けられています。 その3つとは、広汎性発達障害・自閉症・アスペルガー症候群が含まれる自閉スペクトラム、多動性・衝動性・不注意などが現れる注意欠如・多動性障害(ADHD 、知的な問題は全くないものの読み書きや計算などを行うことが非常に難しい学習障害(LD です。 なお、当然ながらこの3区分で厳密に区分できるわけではなく、人によっては3区分の複数、あるいは全体にわたってその特性を抱える人もいます。 子どものうちにこのような発達障害の症状が見られる場合、適切な「療育」を行うことによって発達障害の症状をコントロールし、一般の人と同じように、または同じに近い生活を送ることができるようになることも不可能ではありません。 しかし、発達障害の症状が軽く親などが子どもの発達障害に気が付かなかったり、ただ「風変りな子ども」として捉えられていたりして療育が行われなかった場合、大人になってから、特に環境が大きく変わる就職を境にして発達障害の特徴により起こる「生きづらさ」を本人が感じるようになることがあります。 これを「大人の発達障害」と言います。 この大人の発達障害は放置しておくと、社会生活を営む上で感じる「生きづらさ」から、うつ病などの二次障害を発症してしまう恐れがあります。 このような二次障害により、仕事を続けることが困難になってしまい、生活環境の質が徐々に低下し、結果的に経済状況が苦しい状態に陥ってしまうことがあります。 発達障害の特徴には、人とのコミュニケーションを上手にとることができない、自分の興味があることには極度に集中するが、それ以外のことに関しては集中力が続かない、衝動性があるなどといった特徴がありますが、このようなことは単純に短所と言い切ることはできません。 興味のある分野には異常なほど熱心に取り組んだり、衝動性は裏を返せば「行動力がある」と評価されたりもするため、発達障害の症状は一概に「害である」とは言えません。 発達障害の方に向いている仕事はどのようなものがあるか 発達障害の方に向いている仕事とはどのようなものでしょうか? 自身が抱える発達障害独自の特性により、仕事を上手くこなすことができないケースもありますが、一方でその発達障害特有の特徴を強みに替えることができる職業もあります。 ここでは、発達障害の種類ごとに向いている職業を紹介していきます。 なお、先述のように発達障害の3つの区分も厳密に区分できるわけではなく、人によっては3区分を複数、あるいは全体にわたってその特性を抱える人もいるため、大事なことは自身がどういった特性があり、どういうことで困ることが多く、どういうことが得意なのか(好きなのか)をよく理解したうえで職業適性を検討することだと思います。 あくまで参考程度にご覧ください。 ・自閉スペクトラム 自閉スペクトラムの人には、デザイナー、エンジニア、エンジニアアナリスト、研究者、校正・校閲などの仕事が向いています。 自閉スペクトラムという発達障害の人は、人と上手に関わることが苦手です。 その場の空気を読んだり、暗黙のルールを理解したり、言葉の裏を察したりすることが苦手であるため、職場などの人と上手に付き合うことができない可能性が高くなります。 また、特定の物事に強いこだわりをもつため、作業手順が変わることを極端に嫌ったり、興味が持てない分野の仕事に関しては著しく集中力を欠いたりする傾向がみられます。 しかし、「興味がある分野に関しては、粘り強くとことんまで追求する」という点は、仕事を行う上で、強みとなります。 そのため、一人で黙々と作業を行いその仕事内容に徹底してこだわることができるという点が、上記のような仕事を行う上で長所として捉えられます。 興味のある分野でこれらの仕事に就くことができた場合、大きなつまづきを感じずに済む場合もあるでしょう。 ・注意欠如・多動症(ADHD 注意欠如・多動症(ADHD の人には、デザイナー、プランナー(広告やゲーム)といった業種の仕事が向いています。 注意欠如・多動症(ADHD とは、目的のない動きをしてしまう「多動性・衝動性」と、「不注意」という特徴があります。 また、過度なおしゃべりや不用意な発言をしてしまいやすいといった特徴も兼ね備えていることが多々あります。 社会に出てからは、注意欠如・多動症(ADHD の特徴である「不注意」により、注意力を持続させることが難しいため、ケアレスミスが多かったり、片付けが苦手だったり、忘れ物が多かったりといった特徴が出てきます。 社会に出ることで、いままで許されていたことの幅が狭くなり、本人が負う責任が大きくなるため、このような特徴により仕事などに支障をきたすケースが多く見られます。 そのような状態になってしまうと、成功体験を得ることができないため自己否定感が強くなり、うつ病や対人恐怖症などの二次障害を引き起こしてしまうことがあります。 しかし、このような注意欠如・多動症(ADHD の特徴の中で、「一つのことに考えを集中させることができない」という点は、「アイデアが豊富で好奇心がある」とも捉えなおすことが可能です。 また、衝動性により「考えずに行動してしまう」という点は「行動力がある」と言い換えることもできます。 そのため、行動力と発想力が求められる上記のような仕事が向いています。 ・学習障害(LD 学習障害(LD の人は、コピー&ペーストを利用したデータ入力業務、Excelを用いた計算業務、広告業界などクリエイティブの業界の仕事が向いています。 学習障害(LD とは、「読み書き能力」、「計算・推論能力」が極端に苦手である状態のことを言います。 ここで間違ってはいけないのは、学習障害(LD は単に「国語や算数の勉強が苦手」という状態ではないということです。 近年でも学習障害(LD に対する認知度はまだ低いため、周囲から仕事や勉強を怠けているから成果が出せないといった見方をされることも少なくありません。 学習障害(LD のある方は能力の偏りに差があり、一概にどの職業が向いているとは言いにくいため、まずは自分の学習障害(LD の特徴をしっかり把握することが重要です。 そのうえで読み書きや、計算など自分が苦手とする作業の基本的な部分を、アプリやツールを用いて補いながらできる仕事が向いています。 また、広告業界などクリエイティブな業界で学習障害(LD の人が活躍しているケースも少なくありません。 これは、普通の人と異なる考え方や表現ができるためです。 発達障害の人に向いていない仕事とは ここまで発達障害の人に向いている職業を紹介してきましたが、発達障害の特性ゆえに向いていない職業というものも存在します。 まず、自閉スペクトラムに人に関してですが、自分が興味を持てない事柄に関して集中力を持続させることが難しく、人とのコミュニケーションも苦手な傾向があるため、高いコミュニケーション能力を要求される仕事や、マルチタスク能力が必要な一般事務やテレフォンオペレーターのような仕事も向いていません。 同様に接客・販売業や営業といった職種も向いていないといえるでしょう。 注意欠如・多動症(ADHD の人の場合、仕事をしていくうえでの一番の障害になる点は、「不注意」です。 そのためうっかりミスなどが人命に関わるような医師やパイロットなどの仕事は、注意欠如・多動症(ADHD を持つ人には向いていないと言えるかもしれません。 また、営業や接客なども注意欠如・多動症(ADHD を持つ人には、「不用意な発言をしてしまう」といった特性があり、相手を不愉快にさせてしまう可能性があるなら向いていないと言えるでしょう。 また、自閉スペクトラムと同様にマルチタスクが苦手なので、秘書や事務職といったマルチタスク能力を求められる職業も向いていません。 学習障害(LD の人は、苦手なことが人により大きく違うため、一概にどのような職業が向いていないと言い切ることはできません。 しかし、学習障害(LD の人は、全体像を読み取る力に長けているため、視覚的な仕事が向いている場合が多いです。 それゆえ、逆に細かい情報を読み取る必要がある仕事を苦手とする人が多いようです。 発達障害の方に向いている仕事の探し方 発達障害の人に向いている職業、向いていない職業はここまで解説してきた通りです。 このように発達障害の人に向いている職業に就くためには、まず自分の発達障害の傾向をしっかり把握することが重要です。 その上でハローワークや転職・就職サイトで仕事を探すこともできますが、それ以外にも障害者雇用専門の転職エージェントを利用して転職・就職先を探すこともできます。 この障害者雇用専門の転職エージェントは、転職を希望する障害者と、障害者雇用を希望する企業とのマッチングを行ってくれるエージェントです。 発達障害は、人により出来ることと出来ないことの違いが大きい点が特徴です。 そのため、転職エージェントのアドバイザーに自分が出来ることと出来ないことを伝え、出来ることを活かすことができる職種・企業を紹介してもらうことが、自分に合った就職・転職先を見つけるための近道となります。 発達障害の方が転職や就職を考える際には、この障害者雇用専門の転職エージェントの利用を検討してみましょう。 まとめ 障害者専門の人材紹介として15年以上の経験とノウハウを活かし、障害者の雇用、就労をテーマとした情報発信活動を推進しています。 【監修者:戸田 重央プロフィール】 株式会社ゼネラルパートナーズ 障がい者総合研究所所長。 企業の障害者雇用コンサルタント業務に携わった後、2015年より聴覚障害専門の就労移行支援事業所「いそひと」を開所、初代施設長に。 2018年より障がい者総合研究所所長に就任。 新しい障害者雇用・就労の在り方について実践的な研究や情報発信に努めている。 その知見が認められ、国会の参考人招致、新聞へのコメント、最近ではNHKでオリパラ調査で取材を受ける。 聴覚障害関連で雑誌への寄稿、講演会への登壇も多数。

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発達障害の人に適した仕事や職業

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まず最初に発達障害の概念についておさらいしたいと思います。 2004年に施行された「発達障害者支援法」を見ますと、第2条において発達障害の定義がなされています。 以下第2条を抜粋しますと、『この法律において「発達障害」とは、自閉症、アスペルガー症候群その他の広汎性発達障害、学習障害、注意欠陥多動性障害その他これに類する脳機能の障害であってその症状が通常低年齢において発現するものとして政令で定めるものをいう。 』となっており、この定義は世界保健機構(WHO)のICD10(国際疾病分類第10版)に基づいたものです。 また広汎性発達障害(PDD)とは上記の自閉症、アスペルガー症候群に、レット症候群、小児期崩壊性障害、その他の特定不能の広汎性発達障害の総称で、ややこしいことにアメリカ精神医学会のDSM-5(精神病の診断と統計マニュアル第5版)では広汎性発達障害という言葉はなくなり、自閉症スペクトラム障害に置き換えられており、広汎性発達障害と自閉症スペクトラム障害は同義になります。 このように発達障害には多種多様なものが含まれ、その症状にも多様性があります。 これら発達障害の相談及び診断は児童の場合は小児神経科、児童精神科など、または児童相談所、成人の場合は発達障害外来のある病院で受けることができます。 診断が下りれば対応した福祉サービス等の対象となります。 発達障害の認知が広がっている まだまだ十分とは言えませんが、一昔前に比べると、発達障害の認知は格段に広がっています。 この認知の広がりは「発達障害者支援法」の制定前後から始まり、最近、テレビの番組で取り上げられたり、インターネットでの情報の劇的な増加は日本の「障害者権利条約」批准への流れが推し進めたと言ってもよいでしょう。 背景には、保育所や児童館などの児童福祉関係者や学校教育関係者の発達障害への認知及び専門機関との連携や本人と保護者への適切な対応が進んだことが影響しています。 就学前や小学校で障害を持つ友達への正しい対応を学んだ子供たちは実に包容力溢れるフレンドリーな接し方が出来ます。 大人の社会はまだまだこれからなのです。 発達障害を持ちながら働く人も増えている このように少しずつではありますが、日本社会においても発達障害に対する認知は広がりつつあり、雇用の面でも2013年の「障害者雇用促進法」の改正で精神障害者も範囲に含まれることになり、かっこ書きではありますが発達障害者にも適用されます。 一歩前進と言ったところでしょうか。 これも発達障害への正しい認知の広がりの影響か、今までのように児童期に診断を受けた人、プラス、新たに成人してから診断を受け制度を利用して就職・再就職の活動をする人も増えているのです。 発達障害の配慮について 発達障害は、個別性が高いため、配慮も多岐にわたります。 会社によっては、発達障害に関する知識や雇用経験が少ない場合もあり、十分に配慮や理解を受けられないケースもあります。 しかし、前述しましたとおり、改正障害者雇用促進法では事業主はもちろんのこと、 他の従業員に障害者の人権や特性などの障害に関する教育や雇用への理解を求めるなども「差別禁止の指針」に含まれています。 労働場面では、発達障害を持つ人に対して口頭だけではなく、視覚的な資料やマニュアルを使って指導する、障害を持つ従業員のために相談員を配置するなどが含まれていますので、就職する側もしっかり自分の障害特性と必要な配慮を伝えられるようにしておかなければなりません。 発達障害の特性には自身で対策を身に付けることも大切 ・ミスが多い ADHD の不注意に付随する特性です。 ミスの出方は人によります。 「文章を読み飛ばしてしまう」、「文字入力の際に、打ち間違えがなくならない」、「何回チェックしてもミスに気付けない」などです。 自身の努力では、どうにもならないことが多いです。 ただし「ミスは努力不足」と捉えられる場合も多く、周囲からの誤解を受けやすい特性でもあります。 ・気が散りやすい ADHD の不注意・衝動性に関連する特性です。 周囲の音・匂い・視覚情報など、様々な刺激に反応してしまい、作業に集中できないということが起こります。 この特性も人によって出方は様々で、「音だけが気になる」、「目の前を通られると集中できなくなる」、「人がいると集中できない」など個々でその集中できない要因が違ってます。 ・作業を順序立てて行うことが苦手 ADHD の衝動性に関連する特性です。 自身の興味や、周囲の刺激に影響されて、目の前の作業をこなすことに盲目的に集中してしまいます。 結果的に、様々な作業が中途半端になってしまい、成果を十分に得られず困ってしまうということになりかねません。 また中には、作業を系統だてて考えることが苦手な方もいらっしゃいます。 ・不用意な発言・行動をしてしまう ADHD の衝動性に関連する特性です。 衝動的に発言・行動をしてしまい、周囲を傷つけたり、誤解を招いたりすることがあります。 ご自身の作業内容や傾向から、ミスが発生しやすいポイントを洗い出し、チェックリストにしてみましょう。 そしてミスの確認をする際に、そのチェックリストに沿って、見ていくとミスに気付ける割合が高くなるはずです。 そこで刺激を減らすことで、気が散る場面を減らすことが出来ます。 音声情報で気が散りやすい方は耳栓を、視覚情報で気が散りやすい方は机を囲うブラインドなどを使用してみて下さい。 刺激を制限することで、気が散る頻度が減るはずです。 そこで衝動的に作業を始めても、本来の作業に戻れるよう、目に見える場所にタスク(やること)リストを置いてみて下さい。 自然と、タスクリストが目に付くようになるはずです。 またタスクリストを作成すること自体が「作業を系統だてて考えることが苦手」という特性への対策になるはずです。 これは心理学で言う行動療法というセラピー、簡単に言えば訓練が必要です。 出来れば第三者や知人、適当な相手がいなければ家族でも構いませんので「今の発言や行動の何がどういけなかったのか」、「相手がどう思うのか」を親身に指摘してくれる存在が必要です。 それを繰り返すことにより、自分の突発的な「不用意な発言・行動」を自覚しコントールできるようになるでしょう。 できれば就職前から取り組めるのがベターです。 ASDの代表的な特性 ASDはアスペルガー症候群や、診断基準によっては自閉症スペクトラムとも言われます。 概ねは、「社会性(人間関係)の苦手さ」「コミュニケーション(会話等)の苦手さ」「想像力(予想・イメージ)の苦手さ」と3つの大枠で理解される点が共通しています。 ・指示の意図をくみ取れない 社会性・コミュニケーションの苦手さが影響した特性です。 上長や同僚からの指示の、意図・目的・背景をくみ取ることが出来ず、ミスや間違いにつながります。 指示の言外の情報を掴めないことが原因であることが多いです。 例えば、会社内では暗黙のルールになっていることを把握できていないことや、相手の表情等から感情を読めないことなどが影響します。 また中には、言葉を独特の理解をしていることが影響しているケースもあります。 ・見通しを持つことが苦手 想像力の苦手さが影響した特性です。 作業・業務の先を想像することが出来ず、見通しを持つことが難しくなります。 結果的に、同じミスを繰り返してしまうことや、不必要な作業に時間を掛けてしまう、納期を守れないことなどが発生します。 ・過集中になりやすい ASDに限らない特性ですが、集中しすぎて自身や周囲の状況に気付けなくなる、ということが発生します。 会社では、作業に没頭して、休憩とることを忘れる。 結果的に体調に悪影響を及ぼすことにつながることがあります。 あるいは、「周囲から話しかけられても気が付かない」、「挨拶を返すことが出来ない」といった場合もあります。 周囲からは「無視された」と受け取られることがあり、人間関係に悪影響を及ぼす場合があります。 そこで正しく理解できるまで、確認することが有効になります。 特に、指示を受けた段階で、自分なりに指示の内容を繰り返すことが効果的です。 指示を繰り返すことで、自ずと勘違いしている部分が明らかになり、相手に修正してもらえるようになります。 指示をくれた上司や、業務の経験がある先輩などに、「この業務の先は、どうなりますか?」「全体像は、どうなっていますか?」などと質問をすることで、業務の見通しが、見えてくる場合が多いです。 そこで手のひらサイズのタイマーを活用し、休憩が必要な時間を知らせることが効果的です。 この手段を使うと、休憩を忘れることが少なくなり、疲れが溜まりすぎることが少なくなるはずです。 自分でも対処法を見つけられる対処ツールのご紹介 ここまで発達障害の特性と、対策を紹介してきました。 しかし実際にご自身の特性や対策に気付くことが難しい場合があると思います。 そんな時は、「特性リスト」などを活用してみることがおススメです。 「特性リスト」 出典: こちらは「特性」、「対処」、「配慮」の三つの項目から出来ている「特性リスト」です。 「特性」は自分の理解している障害特性を記入します。 何も発達障害に限る必要はなく、重複障害がある場合はそれも含めて記入しましょう。 自分の特性を見つめ直す機会にもなります。 「対処」は自分なりのその特性に対する対処法を記入します。 「配慮」は採用する企業側にどのような配慮をして欲しいのかを記入します。 この「特性リスト」は履歴書や職務経歴書と同じように必要書類と同封、または持参すればよいでしょう。 自分の特性をよく理解していることと、就職活動に意欲的であることを同時に企業側に伝える素晴らしいツールです。 発達障害の支援を受けるには さらに発達障害について、より詳しく話を聞いてみたい、あるいは支援を受けたいという方もいらっしゃるかと思います。 代表的な支援機関を列挙します。 地域によって名称や事業内容に違いがありますので、詳細は各地域の役所や各センター、事業所へ直接問い合わせてください。 発達障害者支援センター 発達障害者支援センターは都道府県、指定都市が設置運営、もしくは社会福祉法人などに委託運営する、発達障害児(者)への総合的な支援をするため本人や保護者に対する相談と指導を行う機関です。 保健、医療、福祉、教育、労働など各専門機関、施設などと連携し様々な相談に対応します。 障害者就業・生活支援センター 障害者就業・生活支援センターは障害者の就業とそれに伴う日常生活に関する相談や職場、家庭訪問を行います。 具体的には本人への就業に関する相談支援、障害者を雇用する事業所への助言、生活習慣、健康管理、金銭の管理、年金、住居、余暇活動などの日常生活、地域生活などの相談支援を行います。 就労移行支援事業所 就労移行支援事業所は障害者総合支援法の65歳以下の就労を希望する障害者で、通常の事業所に雇用されることが可能と見込まれる人へ、就労に必要な知識や技術の習得や職場体験、職場の開拓、就職後の職場定着に必要な相談支援等を行います。

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