和歌はここに、豊かな抒情と高い格調を取り戻し、典雅にして優艷な本姿を遺憾なく顕した。 別の心をよめる 俊恵法師 0881 かりそめの別れと今日を思へども今やまことの旅にもあるらん (0763) 遠き所に修行せむとて出でたちける、人々、別れ惜しみてよみ侍りける 西行法師 0886 頼めおかむ君も心やなぐさむと帰らんことはいつとなくとも (0764) 0887 さりともとなほ逢ふことを頼むかな死出の山路を越えぬ別れは (0765) 巻第十(羇旅歌) 27首 和銅三年三月、藤原の宮より奈良の宮にうつり給ひけるとき 御歌 0896 とぶ鳥の飛鳥の里を置きていなば君があたりは見えずかもあらん (0773) 註:大系本、第五句「みえずぞあらん」。 八月十五夜和歌所歌合に、海辺秋月といふ事を 宮内卿 0399 心ある 雄島 をじま の 海士 あま の袂かな月やどれとはぬれぬものから (1673) 題知らず 上東門院小少将 0407 かはらじな知るも知らぬも秋の夜の月待つ程の心ばかりは (0304) 崇徳院に百首歌奉りけるに 左京大夫顕輔 0413 秋風にたなびく雲の絶えまよりもれ出づる月の影のさやけさ (0316) 家に月五十首歌よませ侍りける時 摂政太政大臣 0419 月だにもなぐさめがたき秋の夜の心も知らぬ松の風かな (0311) 秋の歌の中に 太上天皇 0433 秋の露や袂にいたく結ぶらん長き夜あかずやどる月かな (0312)* 経房卿家歌合に、暁月の心をよめる 二条院讃岐 0435 おほかたの秋の寝覚の露けくばまた誰が袖に有明の月 (0313) 註:大系本、第一句「おほかたに」。
6「明日 あした 一緒 いしょ に遊 あそ びに行 い きましょう。 どんなに大 おお きくても、私 わたし たちは恐 おそ れない. 永承四年 1049 脩子内親王の薨後は入道一品宮祐子内親王(1038-1105。
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新古今集は、その名の通り、の言語空間を基盤として引き継ぎつつ、その上に和歌の新たな規範的様式を確立することを目指した、野心的、革命的な歌集であった。
御主人様を亡くされて、茫然と過ごしておられた、皇太后宮の人たちよ。
【補記】『相模集』では「人のもとより」の詞書が添えられており、正しくは男から贈られた歌らしい。
以下、大系本と略称。
【他出】栄花物語、後六々撰、古来風躰抄、定家八代抄、八代集秀逸、時代不同歌合、百人一首、女房三十六人歌合 【主な派生歌】 恨みわび絶えぬ涙にそぼちつつ色変はりゆく袖を見せばや [新拾遺] 思ひ侘び絶ゆる命もあるものをあふ名のみやは儚かるべき ちつかまでたつる錦木いたづらにあはで朽ちなむ名こそ惜しけれ 永承四年内裏歌合によめる いつとなく心そらなる我が恋や富士の高嶺にかかる白雲 (後拾遺825) 【通釈】恋をしている私の心は、いつと限らずうわの空になってしまう。
百首歌奉りしに 摂政太政大臣 1073 かぢをたえ由良の湊による舟のたよりもしらぬ沖つ潮風 (0968) 題知らず 式子内親王 1074 しるべせよ跡なき浪に漕ぐ舟の行方もしらぬ八重の潮風 (0969) 巻第十二(恋歌二) 25首 五十首歌奉りしに、寄雲恋 皇太后宮大夫俊成女 1081 下もえに思ひ消えなん煙だに跡なき雲のはてぞ悲しき (0971) 摂政太政大臣家百首歌合に 藤原定家朝臣 1082 なびかじな海士の藻塩火たきそめて煙は空にくゆりわぶとも (0972) 恋の歌とてよめる 二条院讃岐 1084 みるめこそ入りぬる磯の草ならめ袖さへ浪の下に朽ちぬる (0927) 年をへたる恋といへる心をよみ侍りける 俊頼朝臣 1085 君こふと鳴海の浦の 浜楸 はまひさぎ しをれてのみも年をふるかな (0928) 左大将に侍りける時、家に百首歌合し侍りけるに、忍恋の心をん 摂政太政大臣 1087 もらすなよ雲井の嶺の初時雨木の葉は下に色かはるとも (0836) 恋歌あまたよみ侍りけるに 殷富門院大輔 1089 洩らさばや思ふ心をさてのみはえぞ山城の井手のしがらみ (0911) 題知らず 西行法師 1099 はるかなる岩のはざまに独りゐて人目おもはで物思はばや (1433) 千五百番歌合に 左衛門督通光 1106 ながめ侘びそれとはなしに物ぞ思ふ雲のはたての夕暮の空 (1074) 入道関白、右大臣に侍りけるとき、百首歌の中に忍恋 皇太后宮大夫俊成 1111 ちらすなよ篠の葉草のかりにても露かかるべき袖のうへかは (0869) 崇徳院に百首歌奉りける時 大炊御門右大臣 1114 我が恋は千木の片そぎかたくのみ行きあはで年の積りぬるかな (0959) 夕恋といふことをよみ侍りける 藤原秀能 1116 藻塩やく海士の磯屋の夕煙たつ名もくるし思ひたえなで (0929) 海辺恋といふことをよめる 定家朝臣 1117 須磨の 蜑 あま の袖に吹きこす潮風のなるとはすれど手にもたまらず (1198) 摂政太政大臣家歌合によみ侍りける 寂蓮法師 1118 ありとても逢はぬためしの名取川朽ちだにはてね瀬々の埋れ木 (0936) 百首歌奉りし時 二条院讃岐 1120 涙川たぎつ心のはやき瀬をしがらみかけてせく袖ぞなき (0937) 摂政太政大臣、百首歌よませ侍りけるに 高松院右衛門佐 1121 よそながらあやしとだにも思へかし恋せぬ人の袖の色かは (0875) 千五百番歌合に 摂政太政大臣 1126 身にそへるその面影も消えななん夢なりけりと忘るばかりに (1073) 摂政太政大臣家百首歌合に 家隆朝臣 1132 ふじの嶺の煙もなほぞ立ちのぼるうへなき物は思ひなりけり (0930) 百首歌中に、恋の心を 1135 我が恋は逢ふをかぎりのたのみだに行方もしらぬ空のうき雲 (1014) 宇治にて、夜恋といふことを、をのこどもつかうまつりしに 藤原秀能 1139 袖のうへに誰ゆゑ月は宿るぞとよそになしても人のとへかし (1366) 家に百首歌合し侍りけるに、祈恋といへる心を 摂政太政大臣 1141 いく夜われ浪にしをれて貴舟川袖に玉ちる物思ふらん (0938) 定家朝臣 1142 年もへぬ祈る契りは初瀬山尾上の鐘のよその夕暮 (0931) かた思ひの心をよめる 皇太后宮大夫俊成 1143 うき身をば我だに厭ふいとへただそをだに同じ心と思はむ (1018) 題知らず 殷富門院大輔 1145 あす知らぬ命をぞ思ふおのづからあらば逢ふ世を待つにつけても (1019) 八条院高倉 1146 つれもなき人の心はうつせみのむなしき恋に身をやかへてん (0999) 西行法師 1148 思ひ知る人有明の世なりせばつきせず身をば恨みざらまし (0870) 巻第十三(恋歌三) 22首 中関白かよひそめ侍りける頃 儀同三司母 1149 忘れじの行末まではかたければ今日をかぎりの命ともがな (1093) 題知らず 業平朝臣 1151 思ふには忍ぶることぞまけにける逢ふにしかへばさもあらばあれ (1094) 百首歌に 式子内親王 1153 逢ふことをけふ松が枝の手向草いく夜しをるる袖とかは知る (1039) 頭中将に侍りける時、五節所のわらはに物申し初めて後、尋ねて遣はしける 源正清朝臣 1154 恋しさにけふぞ尋ぬるおく山の日影の露に袖はぬれつつ (1058) 註:大系本、第二句「けさぞ尋ぬる」。
【補記】ひそかに恋をしていた頃、思いが顔色にあらわれたのか、「うちとけたる人」(夫など)に見とがめられ、「なぜふさぎ込んでいるのか」と聞かれて、心の内の思いを歌にしたという。 十四番恋右、持(引き分け)。
20題しらず ながめつつ昔も月は見しものをかくやは袖のひまなかるべき (千載985) 【通釈】物思いをしながら、昔も月を見たものだったよ。
【主な派生歌】 今こむとただなほざりのことのはを待つとはなくて夕暮の空 ときどき物言ふ男「暮れゆくばかり」などいひて侍りければよめる ながめつつ事ありがほに暮らしてもかならず夢にみえばこそあらめ (後拾遺679) 【通釈】 「夕暮ほど嬉しいものはない」とおっしゃるのですか。
海 1699 海ならずたたへる水の底までもきよき心は月ぞ照らさむ (0789) 註:大系本、第三句「底までに」。
思うようにゆかぬこと。
9 追 お い 風 かぜ に 吹 ふ かれて 多 おお く の 日 ひ が 過 す ぎた ところ で、 見 み よ、 兄 あに たち と イシマエル の 息 むす 子 こ たち、それに その 妻 つま たち は、 浮 う かれて 踊 おど り 歌 うた い、 多 おお く の 下 げ 品 ひん な 話 はなし を 始 はじ めた。
和歌所歌合に、海辺月といふことを 定家朝臣 1557 藻塩くむ袖の月影おのづからよそにあかさぬ須磨の浦人 (1675) 題知らず 西行法師 1562 雲かかる遠山ばたの秋されば思ひやるだに悲しきものを (1706) 仏名のあした、けづり花を御覧じて 朱雀院御歌 1583 時過ぎて霜にかれにし花なれど今日は昔の心ちこそすれ (1595) 題知らず 慈覚大師 1587 大かたに過ぐる月日を眺めしは我が身に年のつもるなりけり (1574) 巻第十七(雑歌中) 27首 朱鳥五年九月、紀伊国行幸の時 1588 白浪のはま松が枝の 手向草 たむけぐさ いく世までにか年のへぬらん (1659) 題知らず 1589 山城の岩田の小野の 柞原 ははそはら みつつや君が山路こゆらん (1637) 在原業平朝臣 1590 蘆の屋のなだの塩焼いとまなみ 黄楊 つげ のを櫛もささず来にけり (1636) 註:大系本、第五句「さゝできにけり」。
久しくまゐらぬ人に 御歌 1349 君がせぬ我が手枕は草なれや涙の露の夜な夜なぞおく (1291) 御返し 読人知らず 1350 露ばかりおくらむ袖はたのまれず涙の川のたぎつせなれば (1292) 題知らず 光孝天皇御歌 1356 涙のみうき出づる海士の釣竿のながき夜すがら恋ひつつぞぬる (1122) 読人知らず 1358 おもほえず袖に湊のさわぐかなもろこし船のよりしばかりに (1185) 1359 いもが袖別れし日より白妙の衣かたしき恋ひつつぞぬる (1186) 1360 逢ふことの浪の下草みがくれてしづ心なくねこそなかるれ (0979) 1361 浦にたく藻塩の煙なびかめや四方のかたより風は吹くとも (1193) 1362 忘るらんと思ふ心のうたがひにありしよりけに物ぞ悲しき (1152) 1363 うきながら人をばえしも忘れねばかつ恨みつつなほぞ恋しき (1154) 1366 今までに忘れぬ人は世にもあらじおのがさまざま年の経ぬれば (1394) 1368 山城の井手の玉水手にくみて頼みしかひもなき世なりけり (1429) 1369 君があたり見つつををらん伊駒山雲なかくしそ雨はふるとも (1351) 1371 雲のゐるとほ山鳥のよそにてもありとし聞けば侘びつつぞぬる (1118) 1372 ひるは来てよるは別るる山鳥の影見る時ぞねはなかれける (1119) 1375 夏草の露分け衣きもせぬになど我が袖のかわく時なき (1257) 1376 御禊 みそぎ するならのを川の河風に祈りぞわたる下に絶えじと (1262) 中納言家持に遣はしける 1378 蘆辺より満ち来る潮のいやましに思ふか君が忘れかねつる (1195) 1379 塩竈のまへにうきたる浮島のうきて思ひのある世なりけり (1196) 題知らず 寂蓮法師 1386 涙川身もうきぬべき寝覚かなはかなき夢の名残ばかりに (1226) 百首歌奉りしに 家隆朝臣 1387 逢ふとみてことぞともなく明けにけりはかなの夢の忘れ形見や (1227) 註:大系本、第三句「明けぬなり」。
恋 公資に相具して侍りけるに、しのびておとづれけるを、ひまなきさまをや見けむ、絶え間がちにおとなひ侍りければよめる 逢ふことのなきよりかねてつらければさてあらましに濡るる袖かな (後拾遺640) 【通釈】まだ逢っていないうちから、もう辛い思いがするので、 あなたとの仲が深くなったあとで、どんなことになるのだろうと、先のことを考えて、私の袖は涙に濡れているのだ。
【補記】『相模集』によれば、九月の夜、女友達と恋の話などしていた折、風が吹いたので、相模が「我もこひ君もしのぶに秋のよは」と詠みかけたが、相手は何か思い詰めたようにしているので、「かたみに風の音ぞ身にしむ」と相模が自身で付けた、とあり、独り連歌の体裁になっている。
1百首歌中に 式子内親王 0474 跡もなき庭の浅茅に結ぼほれ露の底なる松虫の声 (0351) 題知らず 藤原輔尹朝臣 0475 秋風は身にしむばかり吹きにけり今やうつらん妹がさ衣 (0380) 和歌所歌合に、月のもとに衣をうつといふことを 宮内卿 0479 まどろまでながめよとてのすさびかな麻のさ衣月にうつ声 (0385) 擣衣をよみ侍りける 大納言経信 0481 故郷に衣うつとは行く雁や旅の空にも鳴きて告ぐらむ (0382) 中納言兼輔家屏風歌 貫之 0482 雁なきてふく風さむみから衣君待ちがてにうたぬ夜ぞなき (0383) 擣衣の心を 藤原雅経 0483 み吉野の山の秋風さ夜更けて故郷さむく衣うつなり (0381) 式子内親王 0484 千度うつ 碪 きぬた の音に夢さめて物思ふ袖の露ぞくだくる (0384) 百首歌奉りし時 藤原定家朝臣 0487 独りぬる山鳥の尾のしだり尾に霜おきまよふ床の月影 (0437) 摂政太政大臣、大将に侍りける時、月歌五十首よませ侍りけるに 寂蓮法師 0488 ひとめ見し野辺の気色はうら枯れて露のよすがにやどる月かな (0438) 五十首歌奉りし時 0491 むら雨の露もまだひぬ槙の葉に霧立ちのぼる秋の夕暮 (0392) 題知らず 曾禰好忠 0495 山里に霧の籬のへだてずば 遠 をち かた人の袖も見てまし (0388) 註:大系本、第五句「袖はみてまし」。
【定家八代抄に漏れた主な名歌】 山ふかみ春とも知らぬ松の戸にたえだえかかる雪の玉水(式子内親王) なごの海の霞の間よりながむれば入日をあらふ沖つ白波(実定) 見わたせば山本かすむ水無瀬川夕べは秋となにおもひけん(後鳥羽院) 春の夜の夢の浮橋とだえして峯に別るる横雲の空(定家) 樗 あふち 咲くそともの木陰露おちて五月雨はるる風わたるなり(藤原忠良) 待つ宵にふけゆく鐘の声きけばあかぬ別れの鳥は物かは(小侍従) 心なき身にもあはれは知られけり鴫たつ沢の秋の夕暮(西行) 見渡せば花も紅葉もなかりけり浦の苫屋の秋の夕暮(定家) 【底本】『八代集 四』(奥村恒哉校注 東洋文庫) 【参照】『新古今和歌集』(久松潜一ほか校注 岩波日本古典文學大系)。
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藤原氏。
母身まかりにける秋、野分しける日、もと住み侍りける所にまかりて 藤原定家朝臣 0788 玉ゆらの露も涙もとどまらずなき人こふる宿の秋風 (0705) 父秀宗身まかりての秋、寄風懐旧といふことを、よみ侍りける 0789 露をだに今は形見の藤衣あだにも袖を吹く嵐かな (0706) 註:底本、第三句「藤花」とするが、明らかな誤り。 題知らず 左近中将公衡 1339 恋ひ侘びて野辺の露とは消えぬとも誰か草葉をあはれとは見む (1289) 右衛門督通具 1340 とへかしな尾花がもとの思ひ草しをるる野辺の露はいかにと (1290) 註:底本、第五句「霜はいかにと」。 返し 冷泉院太皇大后宮 1713 つきもせぬ光のまにもまぎれなで老いて帰れるかみのつれなさ (1506) 註:作者は兼家のむすめ超子。
題知らず 西行法師 0585 秋篠や外山の里や時雨るらん生駒の岳に雲のかかれる (0504)* 千五百番歌合に、冬の歌 二条院讃岐 0590 世にふるは苦しきものを槙の屋にやすくも過ぐる初時雨かな (0505) 題知らず 源信明朝臣 0591 ほのぼのと有明の月の月影に紅葉吹きおろす山おろしの風 (0486) 題知らず 前大僧正慈円 0602 紅葉ばはおのが染めたる色ぞかしよそげに置ける今朝の霜かな (0487) 五十首歌奉りしに 藤原雅経 0604 秋の色を払ひはててや久かたの月の桂に木枯の風 (0492) 題知らず 殷富門院大輔 0606 我が門の苅田の面にふす 鴫 しぎ の床あらはなる冬の夜の月 (0511) 註:大系本、第二句「苅田のねやに」。
【参考歌】「義孝集」「後拾遺集」 君がため惜しからざりし命さへ長くもがなと思ひぬるかな 子をねがふ 光あらむ玉の 男子 をのこご 見てしがな掻き撫でつつも 生 お ほしたつべき (相模集) 【通釈】光かがやく玉のような男の子をお授けくださいな。
返し 時しもあれ春のなかばにあやまたぬ夜はの煙はうたがひもなし (後拾遺547) 【通釈】時あたかも、春の真ん中 の二月十五日、お釈迦様ご入滅の日にぴったり重なった今日の夜半の葬送の煙を見れば、宮のご成仏は疑いもありません。
【補記】離別歌。
雲 くも が散 ち って、太陽 たいよう が出 で てきた時 じ. 諸本により改める。 【補記】恋人が我が家へ向かって「来る」のを待ち続けた過去、恋人が何処かへと去って「行く」その方向を思い遣るばかりの今。 建保四年 1216 後鳥羽院による切継が一旦完了。
2恋の歌とて もえこがれ身をきるばかりわびしきは歎きのなかの思ひなりけり (玉葉1536) 【通釈】 薪は身を切られ、炎の中に投げられて燃え焦げる。 現実でも夢でも恋人に逢うのは夜だから、夕暮れてゆくことほど嬉しいことはない、の意。
の一人。
見山花といへる心を 0122 山ふかみ杉のむらだち見えぬまで尾上の風に花の散るかな (0170) 花十首歌よみ侍りけるに 0124 麓まで尾上の桜散り来ずばたなびく雲と見てや過ぎまし (0171) 題知らず 西行法師 0126 ながむとて花にもいたく馴れぬれば散る別れこそ悲しかりけれ (0172) 五十首歌奉りし中に、湖上花を 宮内卿 0128 花さそふ比良の山風吹きにけり漕ぎ行く舟の跡みゆるまで (0156) 関路花を 0129 逢坂や木ずゑの花を吹くからに嵐ぞ霞む関の杉むら (0157) 百首歌奉りし春歌 0130 山高み嶺の嵐に散る花の月にあまぎる明け方の空 (0158) 千五百番歌合に 0134 さくら色の庭の春風跡もなしとはばぞ人の雪とだに見ん (0159) ひととせ、忍びて大内の花見にまかりて侍りしに、庭に散りて侍りし花を、硯のふたに入れて、摂政の許につかはし侍りし 太上天皇 0135 今日だにも庭をさかりと移る花消えずはありとも雪かとも見よ (0162) 返し 摂政太政大臣 0136 さそはれぬ人のためとや残りけん明日よりさきの花の白雪 (0163) 五十首歌奉りし時 藤原家隆朝臣 0139 桜花夢かうつつかしら雲の絶えて常なき嶺の春風 (0173) 註:大系本、第四句「絶えてつれなき」。
【補記】万寿四年 1027 、皇太后宮藤原妍子が亡くなった翌月の十月頃、その宮に仕える人々のうち誰に宛てるともなく、使の者に置かせた歌。
----------2019年10月1日から---------- <ランチタイム> <ディナータイム> 大 人 1,892円(税込) 大 人 2,420円(税込) 小学生 1,100円(税込) 小学生 1,375円(税込) 幼 児 550円(税込) 幼 児 550円(税込) 50歳以上 1,738円(税込) 50歳以上 2,277円(税込) 農場レストラン 風にふかれて【津店】 ご予約のご案内 ランチタイム・ディナータイムの一部の時間でご予約を承っております。
歌人として名高い。
はじめ乙侍従 おとじじゅう と称した。
題知らず 実方朝臣 1158 中々に物思ひそめて寝ぬる夜ははかなき夢もえやは見えける (1063) 註:大系本、第一句「中々の」。
【補記】「頼む」には、《相手を期待させる》意と、《相手を信頼して身を任せる》意とがある。 文集、嘉陵春夜詩、不明不暗朧々月といへることを、よみ侍りける 0055 照りもせず曇りもはてぬ春の夜の朧月夜にしく物ぞなき (0077) 祐子内親王、藤壺に住み侍りけるに、女房、うへ人など、さるべきかぎり物語して、「春秋のあはれ、いづれにか心ひく」などあらそひ侍りけるに、人々おほく秋に心をよせ侍りければ 0056 浅みどり花もひとつに霞みつるおぼろに見ゆる春の夜の月 (0078) 註:大系本、第三句「霞みつゝ」。
11045~1114)のために母藤原延子が主催した絵合「前麗景殿女御歌合」に出詠した歌。
千五百番歌合に 左近中将良平 0144 散る花の忘れがたみの花の雲そをだにのこせ春の山風 (0174) 註:大系本、第三句「嶺の雲」。
人麿 0464 秋されば置く白露に我が宿の浅茅がうは葉色づきにけり (0357) 秋の歌中に 太上天皇 0470 露は袖に物思ふ頃はさぞな置くかならず秋のならひならねど (0358) 0471 野原より露のゆかりを尋ね来て我が衣手に秋風ぞ吹く (0359) 守覚法親王家五十首歌中に 藤原家隆朝臣 0473 虫の音もながき夜あかぬ故郷に猶思ひそふ秋風ぞ吹く (0350) 註:大系本、第五句「松風の声」。
寛弘四年 1007 以前相模と結婚したが、のち破局。