白血病 看護診断。 「急性白血病」の看護事例を見てみよう:ナーススクエア【ナース専科】

急性リンパ性白血病の看護過程・看護計画(OP、TP、EP)のための必要な情報収集とその評価・アセスメント、主な看護計画と看護問題に対する成果目標達成の為の具体策例

白血病 看護診断

白血病の概念 白血球の悪性腫瘍性疾患のことを言います。 造血系の細胞が無制限に増殖する疾患です。 分類 白血病は 急性と 慢性に分けられます。 急性と慢性の違いは、疾患の経過時間ではなく、白血球の分化・成熟過程のどの段階で癌化したかによります。 急性では白血球が未熟な段階で、慢性ではある程度成熟した段階で癌化すると考えるとわかりやすいと思います。 急性白血病 : 未分化な白血病が骨髄内で無制限に増殖します。 慢性白血病 : 成熟した白血病が末梢血液内で増加します。 さらに、、癌化する白血球の違いによって 骨髄性(顆粒球系)と リンパ性に分けられます。 未熟な白血球で骨髄内が埋め尽くされ他の造血幹細胞を押しつぶします。 そのため、骨髄内の造血幹細胞が減少し、 汎血球減少になります。 急性白血成因 遺伝子レベルでの異常が原因になっていると考えられますが、詳しいことはわかっていません。 急性白血の鑑別診断 骨髄を検査して、 芽球の増加(30%以上)がみられた場合、急性白血病であるとわかります。 その後、細胞の形態や ミエロペルオキシダーゼ(MPO)染色、染色体、遺伝子などを調べることで鑑別を行います。 ミエロペルオキシダーゼ(MPO)染色 MPOは、 好中球の顆粒に含まれる殺菌作用をもつ酵素です。 白血病細胞が骨髄系(陽性率3%以上)かリンパ系(3%未満)かを鑑別するのに用います。 Auer(アウエル)小体 急性前骨髄球性白血病でみられます。 アウエル小体はアズール顆粒というものが集まり融合してできています。 このアウエル小体は、 トロンボプラスチン様物質であるため、白血病細胞が壊れて血管内に出てくると、血液凝固が起こり 播種性血管内凝固症候群(DIC)を発症します。 急性白血の治療 治療の目標としては、白血病の根絶ですが、まずは完全寛解(社会復帰可能な状態)を目指し、できるだけ速く抗悪性腫瘍薬の多剤併用投与を行います。 その後、地固め療法(寛解をさらに確実にする)、維持・強化療法(白血病細胞根絶に向けての治療)の順で治療を進めていきます。 参考) 完全寛解した状態でも、体内には10^9個ほど白血病細胞が残っており、これを微小残存病変(MRD)といいます。 MRDは再発の原因となるため、PCR法によってMRDを検出し、治療効果を判定し、治療方針を決めることが重要になります。 地固め療法では、アントラサイクリン、シタラビンのほかに、エトポシドやビンカアルカロイドを加えた化学療法を行っていきます。 急性骨髄性白血病の約9割は完全寛解でき、そのうち約3割は治癒します。 しかし、レチノイン酸症候群と呼ばれる呼吸不全が起きる可能性があるため、 予防としてアントラサイクリンを併用します。 急性前骨髄球性白血病で抗がん剤を用いない理由 この白血病では、 アウエル小体と呼ばれるものがみられます。 ここに抗がん剤を投与すると細胞が壊れてしまい、アウエル小体の中身も出てきます。 そうするとアウエル小体の中身はトロンボプラスチン様物質であるため、血管内で血液凝固が起こり播種性血管内凝固症候群(DIC)を発症してしまいます。 そのため、急性前骨髄球性白血病では トレチノインを用います。 このトレチノインは、前骨髄球の促進を促す作用があります。 そのため、トレチノインを投与すると前骨髄球から好中球へと成長します。 この好中球の寿命は3~4日であるため、そのまま死滅していきます。 そうするとアウエル小体を破壊することなく減らしていくことができます。 慢性骨髄性白血病 慢性骨髄性白血病の概念 造血幹細胞の一部が突然変異( フィラデルフィア染色体の出現)を起こし、各成熟段階の顆粒球の増加が起こります。 治療しなかった場合、約5年ほど慢性期が続いた後、芽球が増加し、急性白血病に似た病態(急性転化)になり、死亡します。 ここでのポイントは、急性白血病とは異なり、 各成熟段階の好中球が出現しつつ、末梢白血球が増加します。 慢性骨髄性白血病の成因 9番目と22番目の染色体の 相互転座によってフィラデルフィア染色体という異常な染色体ができ、それが白血球の癌化に関与しています。 9番染色体と22番染色体の相互転座によって、22番染色体上のbcrと9番染色体のablが複合体を形成し、 融合遺伝子bcr-ablができます。 これより産生されるBCR-ABLタンパクは、 活性化状態が続いたチロシンキナーゼで、 常にアポトーシス抑制遺伝子の転写を促進し続けるため、細胞の不死化を引き起こします。 慢性骨髄性白血病の症状 慢性期では無症状であることが多く、健康診断などで発見されることが多いです。 症状として脾腫が現れることがあります。 これは増えた細胞が骨髄以外の臓器に流れていくためです。 そのため、左側の腹部膨満感を感じて病院に行くことが多いです。 また、脾腫が起こっているため疲労感や倦怠感、微熱やその他にも血小板数の増加などの症状も現れます。 慢性骨髄性白血病の治療 骨髄移植を行うことができれば完治が期待できますが、適合者を見つけることが難しいです。 そのため、現在ではチロシンキナーゼ阻害薬のイマチニブを用いることが多いです。 成人T細胞白血病 成人T細胞白血病の概念 RNAウイルスである レトロウイルスのHTLV-1の感染によって引き起こされる難治性の T細胞増殖性疾患です。 患者の出身地が 九州に多いという報告があります。 また、HTLV-1の 感染経路は母乳を介したものが多いです。 感染してから 発症までに30年から50年ほどかかります。 参考)発症メカニズム HTLV-1に感染すると、HTLV-1はCD4陽性のT細胞に感染します。 そして、HTLV-1のRNAをDNAに逆転写し、宿主のDNAに組み込まれます。 組み込まれたDNAはすぐには発現せず、30から50年ほど潜伏します。 その後、組み込まれたDNAが発現し、さらに遺伝異常が加わることで、感染したT細胞は癌化します。 この癌化したT細胞は、IL-2とその受容体を産生している末梢血やリンパ節に浸潤していき、成人T細胞白血病を発症します。 成人T細胞白血病の症状 症状としては各組織に浸潤していくため、リンパ節の腫大や、肝脾腫、皮膚症状などを引き起こします。 また、 正常なT細胞が減少するため免疫機能が低下し、感染しやすくなります。 腫瘍細胞による副甲状腺ホルモン関連ペプチドの産生増加によって高カルシウム血症も起きてきます。 成人T細胞白血病の治療 効果の高い治療法は現在のところありません。 慢性リンパ性白血病 慢性リンパ性白血病の概念 単クローン性に増殖した CD5陽性のBリンパ球がいろいろなところに蓄積することで生じる腫瘍性疾患です。 慢性リンパ性白血病は、全白血病の3%と日本ではまれな疾患です。 50歳以上の中高年に多く、男性に多いです。 慢性リンパ性白血病の成因 染色体の異常などが考えられているが、詳しいことはわかっておらず、原因は不明です。 慢性リンパ性白血病の症状 発症はとてもゆっくりであるため、自覚症状はみられません。 そのため多くの人は健康診断や他の病気の検査などで発見されることが多いです。 症状として多いのは、全身倦怠感や脾腫、リンパ節腫大、発熱などがあります。 慢性リンパ性白血病の治療 アルキル化薬の内服が中心でしたが、近年、プリンアナログ(フルダラビンなど)や分子標的療法の有効性が確立されてきています。

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看護計画と看護問題の書き方~症例を使ったOP・TP・EPと書き方~

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きゅうせいりんぱせいはっけつびょう 概要 急性リンパ性白血病 acute lymphoblastic leukemia: ALL は、血液がんの一つです。 小児に多く、成人では稀で1年間の発症率は10万人に1人程度といわれています。 骨髄の中では造血幹細胞と呼ばれる血液細胞の種である細胞から様々な血球が作られています。 血球はヒトが生きていく上で不可欠な細胞であり、赤血球、血小板、白血球などがそれにあたります。 赤血球は酸素を運ぶ細胞、血小板は出血を止める細胞、白血球は細菌などの病原体からヒトを守る細胞です。 さらに白血球は大きくリンパ球と骨髄球の細胞に分かれます。 造血幹細胞が様々な細胞に成長していくことを分化と呼びます。 急性リンパ性白血病では、リンパ球への細胞の分化の途中で異常が起こり、細胞が成長をやめてしまいます。 この成長をやめた細胞(白血病細胞または芽球と呼びます)が骨髄中で増殖し、骨髄を占拠します。 その結果として正常な血液細胞が作られなくなり、治療をしなければ、短期間でヒトの命を奪うことになります。 症状 骨髄中の血液細胞を作る力が障害されるため、正常な血液細胞が減少します。 そのため、白血球減少により、細菌、ウイルス、カビなどへの抵抗力が失われ、発熱、肺炎などの感染症状が引き起こされます。 赤血球の減少によって貧血となり、ふらつき、だるさ、息切れなどが起こります。 血小板減少による鼻血、歯肉出血や皮下出血が出ることもあります。 白血病細胞が浸潤し、リンパ節、肝臓、脾臓の腫れを起こすことがあります。 急性リンパ性白血病は中枢神経に浸潤しやすいことが知られており、頭痛や吐き気、手足の麻痺などを起こすこともあります。 診断 急性リンパ性白血病が疑われる場合は、身体診察に加えて、血液検査及び骨髄検査が行われます。 血液検査では、白血球の数が異常に多い場合、少ない場合のどちらもあります。 赤血球および血小板の数は減っていることが一般的です。 血液検査のみでは診断ができないため、が必要になります。 骨髄検査ではメイギムザ染色法という染色法による細胞形態観察を基本として芽球を含めた幼若な細胞から成熟した細胞まで細かく分類します。 その後に、染色体検査、表面抗原マーカー検査、遺伝子検査を行い、治療法を決定します。 特に、急性リンパ性白血病ではフィラデルフィア染色体という異常な染色体が見られるかどうかで治療方法や予後(病気の見通し) が大きく変わります。 フィラデルフィア染色体は9番染色体と22番染色体の間で転座が起こった染色体を指し、bcr-abl融合遺伝子が見られます。 染色体検査や遺伝子検査でこれらの有無を調べます。 また、急性リンパ性白血病ではしばしば中枢神経に浸潤をすることがあるため、脳脊髄液検査(腰椎検査)を行い病気の広がりを調べる必要があります。 治療 早急に入院治療が必要になります。 まず、治療はいくつかの抗がん剤を組み合わせた化学療法を行い、寛解という状態(骨髄検査や画像検査で白血病細胞が見られない状態)を目指します。 寛解となっても、治療を中断した場合は再発の可能性が高くなるため、地固め療法や維持療法といった化学療法を繰り返し行い、根治を目指します。 具体的にはアドリアマイシン、シクロフォスファミド、オンコビン、L-アスパラギナーゼ、メソトレキサート、シタラビン、ステロイド剤など多種類の抗がん剤を組み合わせて治療を行います。 フィラデルフィア染色体がある場合は、bcr-ablの働きを抑える分子標的薬の一種であるイマチニブやダサチニブ、ポナチニブというチロシンキナーゼ阻害剤を併用します。 その後、地固め療法や維持療法を行いますが、その際もフィラデルフィア染色体がある場合は、上記のチロシンキナーゼ阻害剤を使用します。 完全に寛解導入できても化学療法のみで治癒する見込みの少ないと考えられる場合や、化学療法により寛解とならない、もしくは寛解となった後に再度白血病細胞が出現した場合は、を検討します(図1)。 図1.治療の流れ また、中枢神経系への浸潤に対する治療または予防のために抗がん剤の髄注を行います。 化学療法中に最も注意しなくてはならない合併症が感染症です。 時には致命的な結果となることもあり、予防と早期治療が重要となります。 そのため患者さん自身には手洗い、うがい、入浴、マスク着用など感染症の予防を徹底していただく必要があります。 ご高齢者の場合は抗がん剤の副作用が強くなるため、抗がん剤の種類やその投与量を調整する必要があります。 そのため、予定通りに治療を遂行することが難しいため、個々の患者さんの状態に合わせて治療を行います。 慶應義塾大学病院での取り組み• 血液内科チームと他の診療チームが協力して治療を行います。 治療中に現れるあらゆる合併症に対して適切に対応いたします。 造血幹細胞移植が適応となる患者さんに対しては、豊富な経験を有した骨髄移植チームが中心となりスムーズな移植が行えるように手配します。 文責: 最終更新日:2018年1月15日.

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小児急性白血病について

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1、白血病とは 白血病とは、白血球が腫瘍性に増殖し、その結果正常では出現しない幼若白血球が抹消血液中に増加する造血臓器の疾患です。 造血幹細胞が血球になる過程で大量の白血病細胞に分化し、血液を介して全身に増殖していきます。 また、白血球のみではなく、赤血球、血小板が腫瘍性に増殖した状態も白血病に分類され、それぞれ赤白血病、巨核球生白血病と呼ばれます。 白血病は急性型と慢性型があり、「急性リンパ性白血病(ALL)」、「慢性リンパ性白血病(CLL)」、「急性骨髄性白血病(AML)」、「慢性骨髄性白血病(CML)」の4つに大別されます。 診断は末梢血・骨髄穿刺により行います。 白血病と診断されると治療の結果や病状の把握のため、頻回に採血を行わなければならないので、患者さんに検査の必要性をきちんと説明し理解してもらうことが大切です。 特に小児においては理解が難しいことがあるため、家族の協力が重要となります。 副腎皮質ホルモン剤、アルキル化剤、代謝拮抗薬などの薬剤を併用して使用する多剤併用療法が行われます。 急性型と慢性型では使用する薬剤が異なり、それぞれに出現する副作用も異なります。 このため、個々の治療プロトコルをきちんと確認・把握し、的確な観察と対応が必要となります。 白血病の治療は白血病細胞をできるだけ減少させることを目的として、寛解導入療法が行われます。 骨髄移植では大量の抗がん剤投与、放射線治療を行い、骨髄を他人のものと置き換えることで造血機能を回復させることを目的とします。 私たち医療者は、骨髄移植に対する不安や精神面の把握を行い、抗がん剤による副作用の観察から移植後の感染や出血の予防・観察と継続的に援助を行っていく必要があります。 白血病には様々な分類がありますが、症状としてはほとんど類似しています。 貧血、易感染状態、易出血など正常な血球が不足していることが原因によるものも多く現れます。 ヘモグロビンの値とともに全身の観察を行うことが大切です。 血液幹細胞で白血病化が起こりますが、急性白血病と異なり、白血病裂孔はなく、造血幹細胞の残存がほとんど見られません。 慢性白血病は経過が緩慢であり、外来治療が継続されていきます。 治療による副作用の観察と、インターフェロン製剤の自己注射がきちんとできているかの確認、急性転化の徴候を早期に発見することが重要です。 急性転化になると、白血病細胞が増え続け、急性白血病のような状態となります。 抗がん剤等の効果が期待できず、余命は数ヶ月となります。 原因不明の発熱 2.貧血症状の急速な発現・憎悪 3.赤血球数、ヘモグロビン、ヘマトクリット値の急激な減少 4.白血球の著名な増加 5.出血傾向の出現 6.血小板減少または著名な増加 7.脾腫の急速な増大 4、看護過程 患者背景 現病歴・既往歴・病態・疾患についての理解度・セルフケア能力・行動・職業・生活環境 全身状態 血液検査・全身症状・局所症状・バイタルサイン・食事の状態・排泄状態・検査データ・化学療法の副作用と合併症 活動・休息 ADLの影響・活動範囲・睡眠状況 知覚・認知 病態・治療についての知識と理解、治療の副作用・症状による苦痛 周囲の状況 家族構成・家族や友人などの支援者の有無、職業・経済状況、社旗的役割への影響、 5、看護計画 白血病における3大症状を理解し看護計画として立案しましょう。 骨髄移植における看護援助については、下記の看護計画と合わせて計画の統合などを行い、観察・ケアを行います。 その他の計画については個々に合わせた問題や必要な看護ケアを立案、援助していきましょう。 このため、患者さんのみならず家族にとっても大変な生活を余儀なくされます。 特に小児においては、母親が病院へ泊まり込みすることによる兄弟への弊害が問題となります。 患者さんへの援助はもちろんのこと、家族への援助も個々に合わせて行っていく必要があります。 また、骨髄移植を受ける患者さんは、ドナーが見つからなければ移植することができません。 化学療法による苦痛のみならず、これからの治療やその計画の進行についての不安を少しでも軽減できるようコミュニケーションを密に取りながらケアにあたりましょう。 また、白血病が治癒した後の外来通院における継続した援助も大切です。 参考文献 (日本がん看護学会誌|外崎明子|2003) jdepo.

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