種吉では話にならぬから素通りして路地の 奥 ( おく )へ行き種吉の 女房 ( にょうぼう )に 掛 ( か )け合うと、女房のお 辰 ( たつ )は種吉とは大分 違 ( ちが )って、借金取の動作に注意の目をくばった。 きょうさえ 共催、恐妻、共済、教採• すんずり 硯、すずり• 葉子はいそいそとそれを手伝った。
16くきでんつ 空気電池• 「せ」は「へ」と発音すことが多い為。
げっきゅとり サラリーマン、月給取り• こすまぎ 腰巻• かげねんだが 書けないのですか、影がないのですか(鼻濁音)• あまげし 雨返し• ~おん ~ですよ、~だよ(終助詞)、「~もの」の転訛 「聴いでらおん」=聴いているんですよ• ぬれ ぬるい• お口直しに紅生姜のかき揚げもおススメ。
言えば何かと話がもつれて面倒だとさすがに利口な柳吉は、位牌さえ蝶子の前では拝まなかった。
ぬげなぁ 暖かいよりもチョッと暑い時にいう• すっかど 全部、ほとんど• こんばやぐ 早々と、いち速く• そのうち、柳吉が芸者遊びに百円ほど使ったので、二百円に減った。
葉子は一か月の余も遠のいていた新聞紙を物珍しいものに思ってざっと目をとおし始めた。 さむれ 侍、さむらい• あんこ 長男、お兄さん、あんさま、おはじき(玩具• 午頃 ( ひるごろ )、さっぱり客が来えへんなと柳吉は心細い声を出したが、それに答えず、眼を 皿 ( さら )のようにして表を通る人を睨んでいた。
あんず 鯵、味• さぎのばげ 昨晩、昨夜• 福田 ( ふくだ )という女の社会主義者の事や、歌人として知られた 与謝野晶子 ( よさのあきこ )女史の事などの名が現われているのを葉子は注意した。
昔の 煉瓦建 ( れんがだ )てをそのまま改造したと思われる 漆喰 ( しっくい )塗りの 頑丈 ( がんじょう )な、 角 ( かど )地面の一構えに来て、 煌々 ( こうこう )と明るい入り口の前に車夫が 梶棒 ( かじぼう )を降ろすと、そこにはもう二三人の女の人たちが走り出て待ち構えていた。
「あんたが男はんのためにつくすその心が 仇 ( あだ )になる。
二時間経って、電車がなくなるよってと帰って行った。
すだらがす 米や大豆などを洗った後に水切をりすること。
「たいへんお 遅 ( おそ )うございますこと、今夜のうちにお帰りになるでしょうか」 そう 女将 ( おかみ )は葉子の思っている事を 魁 ( さきが )けにいった。
柳吉はいささか 吃 ( ども )りで、物をいうとき上を向いてちょっと口をもぐもぐさせる、その 恰好 ( かっこう )がかねがね蝶子には 思慮 ( しりょ )あり気に見えていた。
「私のお父つぁんは 旦 ( だん )さんみたいにええ男前や」と 外 ( そ )らしたりして 悪趣味 ( あくしゅみ )極まったが、それが 愛嬌 ( あいきょう )になった。 もしある期間を過ぎても、両人の醜行改まる模様なき時は、本紙は容赦なく詳細の記事を掲げて 畜生道 ( ちくしょうどう )に陥りたる 二人 ( ふたり )を懲戒し、 併 ( あわ )せて汽船会社の責任を問う事とすべし。 かぷちゃ 芯、リンゴや果物の芯• てんぽ 無鉄砲な、とんでもない、向こう見ずな• 恵比寿駅の交番近くの交差点のソフトバンクの近くにあります。
9背たけが思いきって低く、顔形も整ってはいないが、三十女らしく 分別 ( ふんべつ )の備わった、 きかん気らしい、 垢 ( あか )ぬけのした人がそれに違いないと思った。 いじらしいじゃありませんか」 そういう女将の声もした。
しゃんべったっきゃし 話したでしょうよ、言ったでしょうよ• 話の種も 尽 ( つ )きて、退屈したお互いに顔を情けなく見かわしながら店番していると、いっそ恥かしい想いがした。
うるへぐ うるさく• 衣裳の裾なども恥かしいほど 擦 ( す )り切れて、 咽喉 ( のど )から手の出るほど新しいのが欲しかった。
日に焼けたその顔に、汗とはっきり区別のつく涙が落ちた。
そす そうする、そのようにする、ソース• おんべでる 知っている、覚えている• それを知ると葉子の全身は怒りのために 爪 ( つめ )の先まで青白くなって、 抑 ( おさ )えつけても抑えつけてもぶるぶると震え出した。
蝶子はむくむく女めいて、顔立ちも小ぢんまり整い、材木屋はさすがに 炯眼 ( けいがん )だった。
その他、「焼売アヒージョ」や「ピンピンメンチカツ」など一品料理に肉アテを含めたフードメニューは100円~、全54種ございます。
給料日茶漬け 500円 ぜひお給料日に召し上がって頂きたい一品。
しょる 背負う、「荷物をしょる」• 当店イチオシメニューです。 あくる日、二人で改めて自由軒へ行き、帰りに高津のおきんの所へ仲の良い夫婦の顔を出した。
家を出た 途端 ( とたん )に、ふと東京で集金すべき金がまだ残っていることを思い出した。 その心の中にはただ倉地の姿ばかりがいろいろに描かれたり消されたりしていた。
あちゃこちゃ あっちこっち• 悪い男 云々 ( うんぬん )を聴き 咎 ( とが )めて蝶子は、何はともあれ、 扇子 ( せんす )をパチパチさせて 突 ( つ )っ立っている柳吉を「この人 私 ( わて )の何や」と 紹介 ( しょうかい )した。
夜更けて赤電車で帰った。
おげ 手桶、手を置け• くさす 中傷、誹謗する。