やがて彼らが行き着いたのは、ドイツ国防軍の逃亡兵が多数押し込められているエムスラント収容所。 ヘロルトが自ら大尉に成りすましたのではなく、出会った相手の態度がきっかけでそうなったという展開が興味深い。 彼女の独白を通し、20世紀最大の戦争における人道の危機や抑圧された全体主義下のドイツ、恐怖の中でその時代を生きた人々の姿が深く余韻を残します。
11小さな村の酒場に入り込み大尉に成りすましたヘロルトは、ご馳走の代わりに店主の求めに応じ略奪者を射殺しました。 comでは単独インタビューを行い、紐解いていく。
ヘロルトらは脱走兵を処刑するに際して、「穴を掘れ、棺は要らない」と言います。
だが、それでも自らの損得のために、彼を受け入れたのである。
制服=権威に弱い人々と、それに乗せられてますます増長する権力者という構図は、今も何ら変わることがないだろう。
つまり自分は「そんなことはあり得ない」と思っている立場にいることに気づきます。 彼らはヘロルトらが手にかけた最後の犠牲者だった。
現在、アシェンドルフ湿原収容所跡とレーアには虐殺の犠牲者を弔う碑が残されている」 この映画を観賞したヒューマントラストシネマ有楽町といえば、で紹介した映画を観た場所でもあります。
空軍大尉の物であることを示す階級章、空軍降下猟兵章に戦傷章、そして栄光の鉄十字勲章(サム・ペキンパー監督作『戦争のはらわた』〈77年〉で、マクシミリアン・シェル扮する名誉欲の鬼、シュトランスキー大尉が戦死者の手柄を横取りしてまで得ようとしていたアレだ)。
それにしても、「ちいさな独裁者」は驚くべき実話です。
1945年4月、敗戦気配濃厚のドイツ軍からは脱走兵が続出し、部隊が解体同然の状態に置かれた兵士たちは略奪を繰り返し、軍律は乱れ放題。 巧妙な嘘を重ねていくヘロルトにドキドキしながら映画に見入っていた私は、途中から彼に感情移入が出来なくなってしまいました。
によれば、17件の評論のうち、高評価は12件、賛否混在は5件、低評価はなく、平均して100点満点中67点を得ている。
泥だらけの兵士ヴィリー・ヘロルトは、命からがら部隊を脱走し林へと逃げ込みました。
私の部隊に入れ」とヘロルトは架空の任務をでっち上げ、キピンスキーらを配下に収めます。
時代は1945年、終戦間際のドイツ。 映画『ちいさな独裁者』のあらすじとネタバレ C 2017 — Filmgalerie 451, Alfama Films, Opus Film 1945年、薄暗い荒野に1人の男が走っていきます。
5「私は総統の命令の下で、後方の動静を調べている。 小さな独裁者というタイトルであるが、「大きな独裁者」だとしたら、物語の展開はどうなったのだろうとふと考えてしまった。
「ちいさな独裁者」という驚くべき映画を観て、わたしはそのように思いました。
これを着用して大尉に扮したヘロルトが更に北へと歩いていると、若い敗残兵に『大尉殿!』と呼び止められた。
ヘロルトは、彼らの軍隊手帳に「特殊部隊H」と記入し、さらに道中出会った兵士たちを、言葉巧みに騙して服従させていきます。
「これさえ着ていれば……この力があれば……」と、権力の虜になった脱走兵ヘロルト、もとから抱えていたに違いない邪な欲望をますます肥大させ、ついには収容所における事実上の支配者の座にまで上り詰める。
1翌日にはレーアに到着した。 人間は権威に弱い。
そんなことを、あらためて思わせられた映画が、「ちいさな独裁者」(DER HAUPTMANN)(2017年 ドイツ・フランス・)だ。
の「解説」には、こう書かれています。
前の囚人に「お前は何をしたんだ?」とヘロルトが何度も聞きますが、返事がありません。
「」や「」シリーズなどハリウッドで活躍するシュベンケ監督は、「脱走兵が大尉に成りすまし、大量殺戮を行っていた」という恐るべき物語に、どのような思いで挑んだのか。 物語の中盤、「結局お前は何がやりたいの」と画面につぶやいてしあった。 2人は、夜近くの農家に侵入し食料を略奪します。
2葬儀を行わないことは、人類の巨大な心の闇に通じていると、わたしは思います。 逃げていた兵士である 主人公ヴィリー・ヘロルトは、実在の人物であり、本作は彼の実話に基づいています。
ヘロルトと敗残兵らは収容所を放棄し、戦争犯罪を重ねながら放浪した。
ベットで眠りから覚めた主人と家族がやってきて、もう1人の脱走兵を銃殺している間に、ヘロルトは逃げます。
途中銃弾が切れ、新鋭たちが穴に向かって銃撃を続けます。
彼が主張する「ヒトラーの特使」との偽装を周囲の人々は真に受け、道中に受けた検問でも正体は暴かれなかった。
を描いた映画では、虐殺が取り上げられることが多い。
しかし、お人好しの善人だけでは組織は滅びます。
監督・脚本のは、「」(2005年)、「RED/レッド」(2010年)などハリウッド映画の監督として活躍してきた人。
「1946年8月、イギリス軍はオルデンブルクにてヘロルトと敗残兵らあわせて14人を裁くための軍事裁判を設置した。 食事も我々と同じようにですよ。 「1945年3月、ドイツ=オランダ国境からほど近いグローナウ(ドイツ語版)を巡る戦いの最中にヘロルトは脱走し、バート・ベントハイム(ドイツ語版)方面へと徒歩で向かった。
検問所では憲兵による書類提示の要請を拒否したため取り調べを受けたが、あまりにも堂々とした振る舞いのため、取り調べの担当将校はヘロルトを空軍大尉と信じ込み、シュナップスを注いで歓迎した。 人間ではなくモンスターさえ想起させる。
ここ数年ヒトラー関係の映画が目白押しの中、なぜドイツ軍内部の名も無き1人の脱走兵の映画が今公開されたのか、その流れを辿ります。
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そんな危険な世相をこの映画では訴えているのではないかと感じた次第です。