原動力は「名作を復刊させたい」という思い 新作映画は、故・佐木隆三さんの小説『身分帳』を原案としています。 comでは、西川監督、日本を代表する名優・、これからの映画界を牽引していくであろうを取り巻く、必然ともいうべき巡り合わせに迫った。
役所広司主演『すばらしき世界』。
これ、元に修復するのに結構、時間がかかるなぁと思って。
近年では『三度目の殺人』 17/是枝裕和監督)、『孤狼の血』(18/白石和彌監督)などに出演。
主演は、国内外で高く評価され続ける名優・役所広司さん。 本作ではその舞台を約35年後の現代に置き換え、徹底した取材を通じて脚本・映画化に挑みました。
2でも考えたら、あたり前のことなんですよね、そういう人たちがじきに私たちの社会に戻ってくることって。
そして、「役所さんと向き合うことで、自分の中で津乃田という役がシンクロしていくのが分かる……、それは初めての経験でした。
西川監督:そんなことを言っていただけるなんて、身に余る光栄です。
役所広司と西川美和監督が初タッグを組んだ映画。
23em;border-left-color:transparent! それがあるだけで、随分変わってくると思うんですよね。 役所さん:演じる前にはとにかく脚本を読み、いわゆる行間にある監督の思いを想像するんですが、一生懸命考えると伝わってくるものはあります。
最優秀主演男優賞受賞。 西川美和監督(以下、西川監督):私は映画監督になる! 5em;content:attr data-section-number ;opacity:. 「すばらしき世界」は全国で公開中。
今回、今までにない新たな試みをこの現場に持ち込んだというよりは、三上といかに関係を築けるか、いかに同じ時間を共有し、観客と映画の架け橋として三上と向き合えるかが重要でした。
無難に毎日をやり過ごしている大人たちが心の中に溜め込むモヤモヤを全て表に出す。
つづく『ディア・ドクター』(09)で第83回キネマ旬報ベスト・テン日本映画第1位を獲得。
役所さん:普通なら成立しにくい企画だから、今の観客には新鮮な作品になると思いました。 トロフィを手にした役所は受賞について「作品の力があってこそです。 役所さん:『夢売るふたり』と『永い言い訳』に感想のコメントを書かせてもらった時、西川監督から頂いたお礼の手紙で、大昔のテレビドラマ「実録犯罪史シリーズ 恐怖のニ十四時間 連続殺人鬼 西ロ彰の最期」を見て下さっていたと。
映画の映画らしさが、とても分かりづらくなってきて、消費されるもののような気配になりつつありますが、10年、20年、30年後に観てもらってもいい作品を作れると、映画に携わっていて良かったと、改めてそういう気持ちにさせて頂き、本当にありがとうございました」と万感の思いを伝えていた。 原作である佐木隆三の『身分帳』は、実在の元服役者をモデルに執筆され、1990年に出版された小説。
役所との念願の初共演を果たした仲野は、「役所さんの目を見ていると目の奥が寂しそうで、それが役所さんなのか三上の目なのか境目が分からなくなっていきました。
西川も作品賞のたてを手にして「映画を撮るようになって、今作で始めて一度も海外の映画祭に赴くことができず、海外のお客さんの前でも上映できなかったので、受賞したと聞いても、狐につままれた気持ちで信じがたいと思ったんですが、海を渡ってトロフィとたてが来てくれて良かった」と安堵した。
主人公の三上正夫は幼い頃に母親と離別し、10代から悪の道に入って前科十犯を重ねた男。
「カメラの前に立つと、(主人公の)三上正夫がいるという感じ。 リポーターに扮(ふん)した共演の長澤まさみ(33)から「西川監督に今だから言いたいこと、印象に残っている西川監督との撮影エピソードは?」と聞かれて明かした。
16色々な現場で経験を積んで、ようやく辿り着けた場所。 これからの作品を楽しみにしています」。
「駆け込み訴え」で端役を得て、自らに課せられた役割以上の動きを見せた仲野は、主要キャストとして改めて参加した西川組で、今後の自分にどのような課題を見出したのだろうか。
現代に置き換えて、よりフィクション濃度が高くなっても、三上と彼を取り巻く世界は非常にリアルで、西川監督作としても、これまで以上の説得力を感じる。
また、役所について「10代のころから憧れの役所さんと一緒に仕事ができて本当に幸せです」と喜びを口にした。
西川美和監督(以下、西川監督):私は映画監督になる!という強い意思で映画業界に入ったわけではないので、自分が監督であることにどこか自信がないんです。
三上が更生してゆく様子をテレビ番組にしようと、獲物を狙うように近づくテレビプロデューサー役に長澤まさみさん。
どの場面もどの場面も「さすが……!」というシーンの繰り返しで……。
最初は作品について役所に聞いていた2人だったが、途中から自分についての質問に切り替えた。
carousel-content:nth-child 9 ,. 「その時に裁判にかけられていた人が、65歳くらいのおじさんで。
主人公の三上を演じた役所は、初タッグとなった西川監督を「なにせ美人ですからね。 僕の考える三上と監督の考える三上にずれがあったんですが、それを撮影前半のうちに監督の考える方に修正出来たんです。
真っ白な雪で覆われた北海道旭川刑務所を、三上(役所広司)が出所するシーンから物語は始まる。 彼らの置かれる状況は、原作の時代より現在のほうがずっとシビアだと実感しました。
5em 1em;margin:0;border-radius:0;border:none;line-height:1. わたしは幸福ですよ。
他人のそういう静かな生活を侵さず、自分の生活も侵されず……ということを守ることができれば、幸せだと思うんですよ。
学校の担任の先生が、生徒たちに『今月観るべき作品』みたいな形で映画を教えてくれていて、『』を劇場で観たんです。
日本映画からこのテイストの作品がなくなるのは勿体ないと思います。 お互いに、全く趣味の合わない作品をやっていたら巡り合えていなかったでしょうしね」 この巡り合わせは、まだ終わらない。
役所さん:『すばらしき世界』のお話が来たときは、「お!来た、来た、来た、来たっ!よっしゃー!」と思いました。
これならイケるなと。
西川監督:はい、17歳の時に。