腹 減っ た なぁ。 野獣先輩「腹減ったなぁ」

野獣先輩「腹減ったなぁ」

腹 減っ た なぁ

悪魔騒動が起きてから、1週間が経った。 学校では相変わらず講義をしていたが、そろそろ休みを利用して、帝国へ行きたいと思っていた。 ゲートを開通させる為、1度空を飛んで、帝国まで行ってみた。 自分の体を結界で包み、時速300Km程度で飛んでみたら、5時間半位で着いた。 これは疲れる、魔力がゴリゴリ削れて行く感じなんだよな。 それも、速度を上げれば上げる程。 そう思うと飛竜って便利なんだなぁ。 航空力学を使って飛行機を作ろうとすれば、当然滑走路が必要だし、離陸する時の速度は、やはり時速300Km程度必要で、浮いてからも速度を維持する必要がある。 セスナの様なプロペラ機は、そんなに必要ないんだろうが、精々4人位しか乗れないだろう。 滑走路が必要ない、ヘリコプターはどうだろう。 飛行機よりも、もっと技術と計算が必要だろう、煩いしね。 やはり、ここは魔法のあるファンタジー世界。 空を飛ぶ船は必要だろう。 出来れば理想的なんだけどなぁ、滑走路がいらなくて、海にも着水出来る。 動力が魔力だから煩くないしね! 挑戦してみるか、戦争の種になりそうでウザいけど自分達が使うだけで、売り出さなければ大丈夫だろう……。 大丈夫だよね。 まあ、広範囲殲滅魔法があるのだ、今更だよね。 帝国の帝都付近に降り立ち、街中に入ってみたが、適当な場所がなかった。 仕方がないので、冒険者ギルドに立ち寄って、個室を確保して措いた。 家を買ってしまった方が早いのか……。 だが、それなりの人数分、いや、ゲート開くだけだから、狭くて良いのか、失敗した。 計画性の無さがこう言うところで、仕事を増やすんだな。 やはり、ギルドに突然現れるより、家を買ってしまう方が良いだろう。 買い物拠点にして、王都で売り捌くのも有りだろうしね。 そんな訳で、再び冒険者ギルドに戻り、冒険者に斡旋している家はないか、尋ねてみたら、意外と沢山あった。 何が有るか分からないから、風呂は必要として、何が有るか分からないからね。 なんて考えてたんだけど、管理する奴がいないんだから、小屋程度で良いんだ。 大きな屋敷が欲しくなれば、皇帝の治療の報酬に、分捕れば良いんだしな。 そして、工房付きで2部屋ある家があったので、そこを購入した。 即金で良いと、ギルドのお姉さんにギルドカードを渡して、引き出してもらったら、Sランクのカードにも驚いていたけど、預金額を見て目を剥いていた。 「あのぅ、Sランクの方にはギルド内にお部屋をご用意出来ますけど?」 「いいの、いいの、悪の秘密結社を作るだけだから。 あんな事やこんな事、あーんな事までしちゃうからな、ギルドの内部では困るだろ。 」 「全然わかりませんが、タチバナ様が、それでよろしいのでしたら。 では、これで手続きは終了です。 こちらが鍵と簡単な地図です。 お持ちください。 」 「はい、ありがとう。 」 冗談の通じない堅物の受付嬢だったなぁ、美人ではあったけど。 やっぱり、俺にはセリアが1番合うな。 あ、受付嬢の中ではって言う話だぞ? 誰に言い訳をしているのか分からないが、地図を見ながら歩いて行くと、結構遠かった。 が、その分、帝城?皇居?まあ、城が近くなった。 鍵を開けて、中に入ると意外に広かった。 何故、工房付きにしたのかって?それは、色々作りたいじゃないか、良い匂いの石鹸とか、ローションとか、精力剤とか媚薬とか? ま、それは冗談としても、ちょっと試してみたい事があって、魔道具作成工房にしようと思ったのだ。 精力剤や媚薬なんて物は、薬研と擂鉢があれば出来るしね。 そもそも、あんな物は下手くそが使えば良いのだ。 それに、必要だと思えば、桜が作ると思う。 そっち方面のくノ一の知識と技術があれば、大人のおもちゃ屋さんが開けるだろう。 一通り、家の中を見て回り、中から鍵を掛け、ゲートを開いて、セレスティーナの部屋に直接移動した。 移動してすぐ、セレスティーナの手を取り、ソファに座って膝の上で横抱きにして、両手を回してホールド。 「マサキ様?これは少し恥ずかしいのです、嬉しいですが。 」 「駄目だ、お前はちょっと目を離すと、何をされて帰って来るかわからん。 心配で仕事にならん。 拘束しておくのが1番簡単だ。 」 「あれこれ、有り過ぎましたからね……。 信用はないですよね。 」 「信用の問題じゃない。 俺が心配なだけだ。 うーむ、魔道具でガードするか。 よし、魔道具をいっぱい作って、ジャラジャラ成金ババアみたいにしてしまおう。 」 「そんなの嫌です~、可愛くして下さい。 」 「大丈夫だ。 俺のセレスは、何を着けても美人だからな!悪趣味な成金ババアになったとしても愛してやろうじゃないか!」 「イヤですー!!」 「ふっ…、お前に拒否権はない!」 「いやぁぁぁぁぁ。 」 何て言う、バカップル会話をメイドさん達が微笑ましく見ていた。 心配で仕方ないマサキは、ポンコツになりつつある様だ。 「腹減ったな、飯行こうぜ。 」 「はい。 」 と言って、そのまま立ち上がり、お姫様抱っこのまま、食堂へ向かおうとしたら、セレスティーナに恥ずかしいから、降ろしてくれと懇願されたので、降ろしてやり、代わりに、ソルティアーナを拉致して、お姫様抱っこして食堂に向かった。 「マサキ様?どうして、ソルティアーナを抱っこしているんですか?」 「お前が嫌だと言うからだ。 」 「ソルティアーナは関係ないですよね?」 「馬鹿だな、お前達王女は、直ぐ悪戯されて帰ってくるだろ?それに両方婚約者なんだから関係あるだろ。 ソルティアーナは文句言わねーし。 」 ソルティアーナは、文句を言わないのではなく、真っ赤な顔して、恥ずかしくて声が出せなかっただけなのだが。 「これから、セレスは足で転がしてやろう。 」 「嫌ですぅぅぅ!!」 「ソルティアーナって長いよね。 ルティでいいか?」 ソルティアーナは嬉しそうな顔で、お姫様抱っこされたまま、首に抱き着いた。 「はい。 その方が良いです。 」 「そうか。 うんうん、愛い奴め。 」 セレスティーナは、不貞腐れて言う。 「狡いです!ソルティアーナばっかり狡いです。 」 「何言ってんだ。 お前が嫌だと言ったんだろうが。 ルティの方が可愛いんだから、仕方ないだろう?」 「私は、捨てられたのですね……。 」 「うん。 」 「いや、そこは嘘でも『そんな事ある訳ないだろ。 愛してるよ。 』とか言って下さいよ。 悲しくなっちゃうじゃないですか。 」 「愛してるよ、嘘だけど。 こうですか?」 「もう!知りません!」 「怒ったセレスも可愛いなぁ。 」 セレスティーナは、両頬を押えて、赤くなった。 「そ、そうですか。 」 マサキとソルティアーナは顔を見合わせて、笑った。 「チョロいよね?」 「チョロ過ぎますね。 」 食堂に到着し、ふっと思った。 「なぁ、抱っこしてると食べにくいのな。 」 「私が食べさせてあげますよ?」 とソルティアーナが言った。 「駄目だ。 違う食べるに聞こえる。 理性が吹っ飛ぶ前にやめておこう。 」 とソルティアーナを降ろした。 3人で食事をしていたら、シャルロットも食堂へ来た様だ。 4人でテーブルを囲んで食事をしながら考えた。 「俺って、何しに王城来たんだっけ?」 「さあ、突然ゲートから現れましたからね、どこから飛んできたんですか?」 「あーそうだ。 帝都に家を買って、そこから飛んで来たんだった。 シャルロット、今からデートにいくぞ。 帝都にな。 」 シャルロットは、何故か嬉しそうだ。 「デートなんですね?デートなんですよね?間違いないですね?」 「あ、いやー皇帝んところ行こうと思っただけなんだけど……。 城入れないし。 」 「遊びだったのね?グスッ……信じてたのに……。 」 あれ?なんか周りの視線が痛いわ。 「まだ、遊んでないよね?」 「私を、おもちゃにした癖に。 」 「いや、してないよね?」 「私を弄る玩具にしたじゃないですか!」 「お前さ、態と誤解を招く様な言い方してるよな!」 シャルロットは、笑いを堪えながら、幸薄い女を演じていた。 「幼気な乙女を弄んで、誤解はないですよね?」 「弄んでないよね?セレス、タスケテ。 」 セレスティーナは、顎に指をあてて、少し考えた。 「シャルロットさんは、マサキ様が好きなのですか?」 「そんなの当たり前なのではなくて?同じ講義を受けているのですから。 あの教室で、マサキ様に心を奪われていない女は、いませんよ?」 「そうでしたね。 全員落ちちゃってますね。 マサキ様、シャルロットさんも、もらってしまいましょうよ。 」 「何言ってんだ、このポンコツ王女。 じゃ、エルスローム王家からは、1人いればいいから、セレス返品な。 これでバランスが取れそうだ。 」 「どうして、すぐそうやって虐めるんですか?」 「だってさ、ルティは色々見ちゃってるし、セレスティーナ姫は、ケツすら触った事ないから、問題なかろ?第二王女様。 」 「じゃぁ、脱ぎます!」 と言って、セレスティーナは立ち上がった。 「待て待て、俺が悪かった!!そう言う訳だから、シャルロットすまんな。 」 シャルロットは、だから何?って顔だ。 「じゃぁ、戦争ですね。 同盟を結びたいと言いながら、嫁枠も譲って頂けないのですから、これはもう同盟どころの話ではありませんね。 」 「いやいや、おかしいよね?王家と俺は関係ないし。 」 「いいえ、これはもう、セレスティーナさんに譲って頂くか、マサキ様に増やして頂くしかないのですよ?」 「だってさ~、住むとこないんだよ?」 「城を建ててしまいましょう、その位のお金なら、王家と皇家が出すでしょう。 」 「いやな、金がない訳じゃないんだよ。 希望する様な土地が、見付からないだけなんだよ。 シャルロットもさ、こんな根無し草なんかやめておけ。 物好きなんだよ、こいつらはな。 」 と言って、マサキは、セレスティーナとソルティアーナを見た。 シャルロットは、堪えてもいない。 「どんな土地が良いのです?」 「取り敢えず、エルスローム王国内で、海と川か湖が近くて、温泉が湧く土地。 魔物はいくら居ても、構わんのだけどな。 殲滅すれば良いのだから。 まあ、気楽に探してみるさ。 」 「何か目的があるのですね?」 「そりゃそうさ、言わないけどな。 」 「私達の卒業までに、住む所くらいどうとでもなるでしょう?私は、そんなに魅力がありませんか?」 「魅力は、あるだろ?と言うか、寧ろ涎が出そうな程の魅力的な女性だと思うぜ?まあ、今はそんな事言ってたって仕方ないだろう。 取り敢えず、皇帝んところ行くぞ。 今は、やるべき事をやり、成すべき事を成す。 話はそれからだ。 」 ソルティアーナが呟いた。 「恰好いい……。 やるべき事やり、成すべき事を成す……ですか。 」 ソルティアーナは意味深な笑みを浮かべて、何かを考えていた。 シャルロットは、仕方ないなという顔で言った。 「仕方ないですね、お父様にお願いしてみます。 色々と。 」 セレスティーナは、ソルティアーナが何を考えているのか。 が、少し心配だった。 マサキは、シャルロットを伴って、ゲートを開き帝都の家に移動した。 玄関を出て、城に向かって通りを歩きながら、マサキが口を開いた。 「シャル。 」 「まあ。 シャルと呼んで下さるのですか?」 「シャル。 お前は、俺なんかで良いのか?周りに流されていたりしないのか?」 シャルロットは立ち止まった。 マサキの何時になく真剣な表情に、しっかり考えを纏めて、真剣に返事をしようと思ったからだ。 「マサキ様。 最初はお父様に言われて決めた留学でしたし、出来ればマサキ様と 誼 ( よしみ )を通じて来いと言われて、王国へと旅立ったのは、事実です。 ですが、マサキ様の講義を拝聴し、刺客への鮮やかな対応。 的確な先手を打つ等、この人はどこまで先を見通しているんだろうと、思いました。 マサキ様が、無類のエッチ好きな性格であるのも、承知しておりますけれど、妬まれる事もなく、王国内でも大事にされているのが分かっています。 マサキ様を女誑しと見る向きもある様ですが、私はこう思います。 無類の人誑しであると。 だから国王様からも信頼されています。 そんなマサキ様に私は、皇女としてではなく、1人の女として、恋をしています。 心からお慕い申し上げます。 」 マサキは、真剣に答えを出したシャルロットに向き直ると、こう言った。 「俺に出来る事と言えば、死ぬまでシャルを愛しぬく事、くらいしかないのだが、それでも良いか?何も持っては、いないのでな。 」 「充分です。 好きな殿方のお嫁さんになる事が夢でした。 皇女には適わぬ夢でした。 何も要りません。 ただ、貴方が居ればそれで良いです。 私の全てを捧げます。 貰って下さい。 」 「分かった。 必ず幸せにしてやるとは、烏滸がましくて言えないが、俺の生ある限り、シャルを愛しぬくと誓おう。 」 「はい。 嬉しいです。 」 シャルロットは大粒の涙を流していた。 その顔もまた、美しいとマサキは思うのだった。 シャルロットの涙が治まるまで、待っていたマサキは、3歩シャルロットに近付くと、左肘を出した。 シャルロットは嬉しそうに、右手で掴まり身を寄せた。 マサキは、左肘に感じる、シャルロットの胸の感触を楽しみながら、城に向かうのだった。 シャルロットが感動しているのに、下心満載のマサキは、やはりロクデナシなのだろう。 城の表門で、シャルロットが話を付け城内に入れてもらった。 取り敢えず、皇帝の寝所へ向かう事にした。 城は、エルスの城よりは若干小さいものの、勇壮で中も豪華な装飾品で飾られており、正に「ザ・皇帝」と言う感じがした。 どういう感じかサッパリわからないが、煌びやかな城内であった。 シャルロットに腕を引かれるまま着いて行った。 途中、執事風の男に何某か指示をしていたが、興味がなかったので、聞いていなかった。 皇帝の寝所に辿り着くと、ノックをして「シャルロットです。 」と言いながら、扉を開けて入って行った。 ここまで、マサキはされるがままになっていた。 皇帝の寝所に入ると、皇妃と思われる女性が3人とメイドが3人いて、執事が1人付き添っていると言う具合だった。 そして、ベッドの脇には皇子と思われる人物が1人いた。 「お兄様。 ただいま戻りました。 」 皇子は、優しい笑みを浮かべて、 「シャルロット、お帰り。 元気にやっているかい?」 と聞いていた。 「はい。 ご紹介しますね。 Sランク冒険者主席で、私の恩師でもあります、マサキ・タチバナ様です。 」 紹介された、マサキは胸に手を当て紳士の礼をした。 それを見た、シャルロットは驚愕の表情を浮かべていた。 が、何も言わなかった。 「私は、ガイザス帝国第一皇子ルキウス・ガイザスと申します。 お初にお目に掛かります。 タチバナ殿。 ルキウスとお呼び下さい。 」 「俺は、マサキ・タチバナだ。 マサキで良い。 今日は、皇帝陛下の容態の確認と、シャルロットをもらい受けに来た。 」 シャルロットが、目を大きく見開いて、顔を赤くしていた。 「そうですか、それは有難い。 皇帝の顔も見て下さい。 」 マサキはベッドに向かうと、皇帝の顔を見た。 今は、寝ている様だ。 妙に唇の色が赤い気がする。 マサキは布団を捲って、手の爪を見た。 白い斑点だったり線だったりが爪に出ていた。 手を元に戻し、布団を戻してやった。 「皇帝は、食事は摂れているか?」 皇子は首を振りながら答えた。 「最近は、流動食も喉を通らない様です。 水分だけ補給している様な状態ですね。 」 「薬は飲ませているか?」 「はい。 水分に混ぜてですけどね。 」 マサキはうでを組んで考え込んだ。 (良く生きている。 恐らくヒ素中毒だろうが、人口呼吸器もなく、ただ漢方の様な薬しかない世界で、これは、凄い生命力としか言えないだろう。 やはり、魔法の知識を広める必要があるな。 怪我であれば【 治癒 ( ヒール )】が使える術者は多いが、無属性になると急に人数が減ってしまう。 ) マサキは、体内で魔力を練りながら、皇帝に掛かっている布団を全体的に剥がすと、左手を翳した。 魔力を薄く体の中にぶつけながら、どこにヒ素が溜まっているかを調べていった。 胃腸と腎臓と肝臓が駄目な様だ。 「多臓器の不全か……、いけるか?まあ、これじゃ、もって1週間だろう。 やってみるか。 」 と、マサキは呟いた。 皇子は何をするのか不安だったが、シャルロットが胸の前で両手を握り締めているのを見て、大丈夫なんだとマサキに向き直った。 マサキは、頭から大腿部までをゆっくりと【 浄化 ( ピュリフィケーション )】を掛けていった。 それが終わると急いで、体全体に【 回復 ( リカバリー )】と【 治療 ( トリート )】を掛け、最後に1番大事な【 復元 ( レストレーション )】を掛けた。 この間、何度も皇帝が光るのを見ていたシャルロットは、尊敬の眼差しをマサキに向けていた。 再び、マサキは皇帝の内臓に、魔力を軽くぶつけて触診していた。 良さそうだがなぁ、弱っていたからなぁと考えていたが、胃腸が急に活性化しだした。 唇の色も戻った様だし、大丈夫だな。 と、一安心した。 「誰か、食事の準備を。 多分、腹減った~って起きると思うぜ?」 とマサキは皇子に伝えると、部屋から出て行こうとした。 扉に向かうマサキの背中に「腹減った!!!」と豪快な言葉が聞こえて、ニヤっと笑みを浮かべたマサキは、満足そうに、扉に手を掛けたのだった。

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野獣先輩「腹減ったなぁ」

腹 減っ た なぁ

インスト• 透過・合成用• 打ち込み• ゲームミュージック• ゲーム• キャラクター• ポップ• 3D・CG• テクスチャ• VOCALOID• MIDI• ロック• 乗り物• カラオケ• 手描き• エレクトロニカ• オーケストラ• 生演奏• テクノ• オリジナルキャラクター• モノクロ• アンビエント• ジングル• クラシック• ボーカル• テキスト• バラード• 食べ物• ジャズ• アニメ調• アニソン• J-POP• ドット絵• アイキャッチ• トランス• メタル• ヒップポップ• オルゴール• フォーク• カントリー• アイドル• 吹奏楽• 水彩画• AOR• ぬりえ•

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関西の方に質問です。「腹減った~メシくわせぇ~コドモを飢...

腹 減っ た なぁ

「今日のゲストはレッドラックさんです」 「おう、よろしくな」 「因みに今回、特別にいつもの場所ではなくキッチンでこの番組を行うことになりました……レッドラックめっちゃ食うし」 「すまねぇな団長、無茶振りしちまってよォ」 「いやいや、番組始まる前からめっちゃ食ってるし…そもそも今の会話の中でも既にラーメン1杯食べ終わってんだからあんまり気にならねぇわ」 今回、キッチンで番組を行うことになっている。 理由としては、レッドラックが大食いであることと、単純に飯テロをしたかっただけである。 キッチンにいるからと言って、2人で占拠してるわけではないので、キチンと周りには団員達がバッチリと写っている。 「いやぁ、ほんとに飯うめぇなぁ」 「今回、レッドラックの大食いっぷりを見せることで皆の胃袋を空腹にさせるという目的があります……」 「あぁ、だから真昼間からやってんだな」 そう、キッチンに団員達がいるということは……要するにグランサイファーの昼飯事情が今からということになるのだ。 「つか、誰が作ってるんだこれ」 「ローアイン、セワスチアン、バウタオーダ、それとファスティバの4人で形成されているぞ」 「おいおい、グラサイキッチンメンツ揃ってんじゃねぇかよ!こりゃあ俺も本気出さねぇとなぁ!!」 「まぁいくらでも飯食っていいから、番組の進行はさせてもらうよ…というか今の間にまた食い終わったな」 色々な料理がある中、喋りながらもレッドラックは食べ終わっていく。 律儀なのは、キチンと口の中のものを飲み込んでから喋っており、口の中に物が入っている時は一切喋っていないということである。 「おう、つか俺に来てる質問なんて大概わかりきってんだろ」 「と言うと?」 「ゼエン教、フードファイト、大食いであること、そんでもって過去の話だ」 指を立てながら、レッドラックは数えていく。 というか、気になったことを聞くだけなので、その推理はあながち間違ってないかもしれない…とグランも若干ながら納得はしていた。 「ま、例え予想通りの物が来ても俺ァ普通に答えるけどな」 「流石、懐が深い」 「腹の底もすげぇ深ぇけどな!!」 大声で笑うレッドラック。 ふと、それを見てレッドラックの口の周りには、ご飯のカスが一切ついてないことに気づくグラン。 かなり高速で食べているのに、口の周りがかなり綺麗なのは驚きである。 「…ま、とりあえずお便り行きましょうかね」 「おう!どんどんこいやぁ!」 「1通目『空腹じゃない時ってあるんですか?』」 「ん?そりゃあ飯食ったら空腹じゃ無くなるだろ?」 「いや、レッドラックってずっと何かを食べてるイメージあるから…そのせいじゃない?」 「んー…?」 身に覚えがないと言わんばかりに、レッドラックは首を傾げる。 実際、何かをする度に何かを食べているのは事実なのだが、お便りの主はそれがレッドラックに取ってはずっと空腹なためと思ったらしい。 「まぁ、ずっと飯は食ってるな。 完璧な満腹感は何度も味わってるがよ、動いたらすぐに腹が減ってなぁ……ついついバクバク食っちまうんだ」 「確かに、フードファイトした後もよく食べてるもんね」 「俺ァフードファイターだからな、いつでも腹が減るようにしてるし、腹が減ったら飯を食えるようにしてんだ」 フードファイト。 レッドラックは趣味でよく、突発的に村でフードファイトを行う時がある。 無論、ちゃんと許可はとってからするのだが…レッドラックの食いっぷりに、参加者達も笑顔になるという事がある。 そこで稼いだ賞金を、レッドラックは孤児院などに寄付したりしているのも、有名な話である。 「さすがに2回連続でフードファイトした時は驚いたけどね」 「いやぁ、あの時も腹が減っちまってたからなぁ」 「その賞金、全部寄付したんだから尊敬するよ」 「悪ぃな、団の資金に当てられなくてよ」 「いや、レッドラックの趣味で行ってる事だし…別に稼いだお金をこちらに渡さなくてもいいんだよ?依頼料を貰ってるわけじゃないしね」 「そうか?すまねぇな団長」 レッドラックは笑いながら、グランの頭を撫でる。 まるで父親のような仕草だが、グランはそれを素直に受け入れていた。 まるで本当の親子のようにも見えないことは無い。 「で、結論としてはどうなの?」 「そうだなぁ…満腹になってる時はあるぜ、それがすんげぇ短いってだけでな」 「なるほどねぇ……じゃあ2通目に行こうか」 「おうよ」 「『他の大食いの団員達とフードファイトした事はありますか?』」 「他の、ってぇと…」 「ルリア、アーミラ……それと美食殿のペコリーヌだね」 アーミラ、半人半魔の少女である。 戦闘能力は高いが、その性格はとても純粋。 美味しいものを食べる時はとことん食べて、眠る時はとことん眠るというまさに子供の様な少女である。 そして、美食殿ペコリーヌ。 時折グランサイファーに乗船していることがある少女である。 その胃袋に限界はないのか、と言わんばかりによく食べている少女である。 恐らく、本当の意味でレッドラックと渡り合えるのは彼女くらいのものだろう。 「そうさなぁ…一回やってもいいが、グランサイファーの資金が底を尽きかねねぇなぁ」 「え、食料庫じゃなくて?」 「おう、資金だ」 「最早大食い大会と言うより、1種の戦争になってない?」 「しょうがねぇよ、それがフードファイター同士が戦った戦場になるんだ…国同士が争ったら土地が荒廃するように、フードファイター同士が戦っちまうと開催場所の資金が荒廃しちまうんだ」 「フードファイトを戦争に例える人初めて見たよ」 自慢ではないが、グランサイファーの資金はそれなりにあるのは誰もが知っていることである。 かなりの人数の団員がいるのに対して、一人辺りの平均の持ち金の10倍は用意しているとグランはちゃんと帳簿をつけている。 つまり、それが吹き飛ぶということは団が完全な壊滅をするということにほかならない。 フードファイトをした結果、団が解散なんて全くシャレにならないことである。 「しょうがねぇさ…あの嬢ちゃん達は、俺と渡り合えるレベルでのフードファイター……お互い本気を出しちまったら、取り返しが付かねぇ…」 「……とりあえずグランサイファーでフードファイトはやらない方がいいって言うのは理解したよ」 「わかってくれて何よりだぜ、団長」 「……兎も角3通目ね。 『美食殿のペコリーヌさんとは、交友は持っていますか?』」 「おう、もちろんあるぜ。 フードファイター同士、ってのもあるが各地の美味い飯の話なんか、会ったら良くしてらァ」 先程言ったが美食殿とは、友好な関係を築き上げている。 しかし、そもそも美食殿は自分達の島から離れることはあまりないのと、グランサイファーでも中々寄れないような土地にある為実際の交流はほぼ手紙な事もある。 それでも、時折乗船しているので気の合う者同士の会話が、その時に頻繁に行われている。 「俺はペコリーヌの嬢ちゃんとよく話してるがよ、他はどうなんだ?」 「コッコロちゃんはよくナルメアと話してるね。 お世話するもの同士、って事で気がめっちゃ合うみたい」 「あのエルーンみてぇな子は?」 「キャルだね、あの子は……気の合う人と話してる、っていうよりかはペコリーヌの世話を焼いていることが多いかも」 「そういやぁ…よくつるんでんなぁ……」 ふと思い出すと、ペコリーヌのブレーキ役としてキャルはよく動いているとレッドラックも思い出していた。 因みに、3人の想い人のような存在として1人の少年がいるが、彼も3人と1緒に乗船していることがある。 その時は、コッコロがお世話しっぱなしになっているが。 「苦労人だなぁ、あのキャルって子は」 「コッコロちゃん程じゃないけど、誰かの世話焼いてないとダメだったりするのかもね」 「はは、そいつァアレだな?所謂『ツンデレ』って奴のせいもあるんじゃねぇか?」 「かもねぇ」 やつのせいも何も、よく文句を言いながらもペコリーヌの世話をしていたり、他の者達の世話を口では嫌々ながらも率先してやっている辺り、相当な世話焼き家である。 本人にそれを言うと、恐らく怒って拗ねてしまうかもしれないが……それでも世話は何だかんだ言いながらやってそうだと、グランは心の中で笑っていた。 「さて……そろそろ時間です」 「もうか?早くねぇか?」 「いつもこんなもんだよ、それに俺とレッドラックが本気で話し合いしたら…本気で駄弁ってるだけになっちゃうしね、ここ団員の紹介番組でもあるしさ」 「なるほどなぁ……」 「まぁ、長時間駄弁ってたらグダっちゃうっていうのもあるんだけどね」 「はは、それはそうかもしれねぇなぁ」 「……とまぁ、改めて。 皆さんご視聴ありがとうございました。 また次回、この番組でお会いしましょう。 さようなら」 そう言って、カメラの電源が落とされる。 そして、グランは軽くため息をついていた。 「ん?どうした?」 「いや、このカメラまた運び戻さないとなって思ってさ」 「大丈夫だよ、俺も手伝ってやるから」 「助かるよ」 食堂から、一応下まで持っておりなければならないため、グランはそれで少しため息をついていたのだ。 持って上がる分には少し体力を使う程度で済むのだが、降りるとなると階段でコケないように登る時以上に集中しなければならないため、疲れる……らしい。 「じゃあ、お願い出来るかな?」 「おう、任せとけ……とその前に飯の片付けしねぇとな」 「…そう言えば、めっちゃ食いながらだったもんね」 気づけば、レッドラックの周りには大量の皿が並んでいた。 これでも、途中途中でグラサイキッチンメンツが回収していたのだから驚きである。 「よう!美味かったぜ!!」 レッドラックがそう言って、無理のない範囲で皿を一気に持ち運んで行くのを繰り返していく。 それは、グランも手伝ったためすぐに終わった。 そして、そこからようやくカメラを運ぶ事になる。 「これ結構重いよ?」 「それを、1人で持ち上げて来たお前さんが言うのかね」 「…まぁ、そう言われたらぐうの音も出ないけど」 パッと見はドラフの男性よりも筋肉が無いにもかかわらず、実際はとんでもなく力が強いグラン。 カメラを運ぶのにも一苦労とは言っているものの、どちらかと言えば重いからじゃなくてコケないように注意しすぎているため、と言っても過言ではないだろう。 「よーし、とりあえず運ぶか」 「OK、お願いするね」 「任せとけ任せとけ!この筋肉は伊達じゃねぇって言うところを見せてやるよ!」 そう言って、レッドラックとグランでカメラを運んでいく。 実はこの後、レッドラックはまた腹が減ったため飯を掻き込んでいた。 その為、グランサイファーの食料庫がすっからかんになってしまったので、急遽飯を買いに近くの島に寄ることになったグラン達なのであった。

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