そういうことを考えると、京都は単に天皇がいたからだけではない、ある種のブランディングをやって、一つの成功したスタイルを地域文化として作ったんじゃないかと思います。
3……しかし、人気町家旅館が感じる手ごたえとは? ーコロナ後も変わらない非日常を守りつづけるサービスー 第2章 崖っぷち国家を襲った観光危機 インタビュー2 京都観光の進化に挑むロードマップ ー危機の時代におけるDMOの役割ー 第3章 ルポ・コロナ禍の京都 インタビュー3 オーバーツーリズムが一転、いまやオンラインツアー戦国時代! そして黄昏時、ついに竹やぶから姿を現した赤い単衣を見事に射抜く。
これまで観光産業というのは、発地型というように、観光客の出発地が中心になっていました。
アジア的なものに異常に熱を入れるのは欧米人に多くて、中国人観光客は飲食店でのマナーが嫌われることが多いんです。
オーバーツーリズムから一転、ゼロからの観光復活を模索するわれわれは、いまこそ「観光立国」の本質を問い直すことになるーー。
けれども、それでは観光産業の裾野を狭めてしまう。 日本人が気軽に予約しようとしても、ホテルが満室で取れない。
天龍寺で庭園から柵を超えて直接お堂に入ってこないよう、注意を促す立て札 中井:同じようにお寺でお金を支払うといっても、精進料理や絵葉書の支払いをキャッシュレス対応することは問題ないのに、「拝観料や浄財をPayPay払いしたらポイント還元」というのは宗教観的にダメと言われても、素人の我々が外国人にその違いを説明するのは難しいですよね(笑)。
難しいのは、地域や観光現象の諸条件によって、過剰かどうかが決まってくるところですね。
中井:そうなんです(笑)。
とはいえ実際にそのブランドの内実である「京都らしさ」を支え、維持するための人々が消えてしまってはこの街には何にも残らない。
観光客が多すぎることで、観光体験の質が著しく低下するなど、観光客も害を被っているという視点が含まれています。
中井 当時は本気でそう考えていました(笑)。
この状況はどう思われていますか。
そして、その一方で上質宿泊施設誘致制度などもあり、高級ホテルのオープンラッシュも起きています。 しかし京都を訪れる観光客数が5000万人を突破した2008年以降、その数がピークを記録した2015年でも5600万人ほどなのである。
15『スタンド・バイ・ミー』もその系譜にあります。 これらはどれも「旅をすること」と「住むこと」の意味をドラスティックに変化させる可能性をはらんだ動きである。
数多の観光都市よ、いまこそ京都に続けーー! *本書目次より抜粋 第1章 観光に依存していたビフォー・コロナの世界 インタビュー1 京都から観光客が消えた! 夜道に煌々と照らし出されたエントランスはまるで不夜城の城門のようだ。
6月には府県をまたぐ移動自粛が解除になり、7月 22日からはGoToトラベルキャンペーンが開始されました。
その一方で、観光客が来過ぎてしまうのも困る。
やはりオーバーツーリズムを問題視するのは京都市民の共通認識になっています。 けれども民泊は、管理者が常駐していないことも多いですから、様々な副作用が出て来ました。 まずはコロナ後の京都を振り返っていきたいと思います。
『となりのトトロ』を観たときに、あんな生活なんかしたことがないのに懐かしいと感じる。
観光客を受け入れる着地側が発信を怠っていたということもあります。
たしかに世界中から集まった大量の観光客によってもたらされた利益は大きなものであったが、その代償は決して安いものではなかった。
各種産業にも大きなダメージが出ています。
中井:そうですね。
そういう状況について研究するうち、京都市内がどんどん混み始めて大変になっていることにも問題意識が向いていきました。
例えば大阪の人を大阪の旅行会社が京都に連れて行って、大阪に連れて帰る。
バルセロナの場合、地価の高騰が問題になっています。
地価高騰による住民流出や交通機関の麻痺をはじめ、カメラをかざした観光客が花街の芸舞妓を追い回す「舞妓パパラッチ」など、人々の暮らしや長年受け継いできた文化へのダメージは深刻なものとなり、いわゆる観光公害やオーバーツーリズムとして大きく問題とされることになったのだ。
ただ、訪れる人の数が増えすぎるとオーバーツーリズムという問題を引き起こし、ときに地域の住民にとって迷惑な存在になる。
5中井:そうですね。 このような京都ブームのなかで「京都で暮らすように旅をする」ことに魅せられた人々が、次第にこの街で自由に使える拠点を所有したくなるのも当然といえば当然である。
すこし癖になるような読後感のあるエピソードだなと思う。
観光都市復活の狼煙が、京都から上がる! 2020年、未曽有の疫病禍により観光都市・京都から観光客が消えた。
むしろ大阪のほうが経済活動に対する自由度が高くてよそから来た人も平等に競争ができる場所であるために、「インバウンドに乗っ取られる」という人々の危機感はリアルなのではないかと思います。
この街がすでに直面していた国内外の富裕層による住まいの買占めという問題も、そのような旅と居住をめぐる変化の波がいちはやく到達していたことの結果だったのだろう。 精緻な箱庭のようであり、また、果ての見えない小宇宙のような不思議な街である。
8その50戸ほどの小さな集落に、大量の観光客が来るようになりました。
観光産業への配慮もあれど、行政も数年前から「さすがにちょっとこれはヤバい」と感じてはいるようなので、観光客の数は抑えて一人当たりの単価、観光消費額を上げていこうとしています。
例えばゲストハウスがなくなってしまえば、次世代の京都ファンは育ちません。
東京の感染者数が多かったこともあってGoToキャンペーンは東京都民を除外するかたちで始まりましたが、個人の感染リスクが地域と紐づけられて認識されるようになりました。
怪異譚を集めていることで電脳時代の不埒な怪談ジャンキーたちにも人気の高い第二十七巻「本朝付霊鬼」の第四話目にあたる。 日帰り観光客が減り、宿泊客が増えています。 世界中の人々が自分の街に閉じ込められることになったわけだが、僕が閉じ込められることになった街は京都だった。
16人がいなくなれば、内側から切り崩される可能性がある。
それ以前には「観光公害」が使われていました。
「宿泊数を一定水準まで回復することをめざします。
外国人に至っては前年比でマイナス 99・9%ですから、ほとんどいない。